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☆ Hat full of stars ☆ - とり

2016/02/21 (Sun) 20:56:47

http://mainichi.jp/articles/20160221/ddm/010/040/016000c?fm=mnm
検証・大震災
東日本大震災5年 福島第1原発事故(その1) 大熊・帰還困難区域



毎日新聞2016年2月21日 東京朝刊


帰還困難区域にある自宅に一時帰宅し、庭に咲いた梅を見つめる岩本久美さん=福島県大熊町で6日、関谷俊介撮影


膨らむ処理費12兆円 原発事故、国民にツケ

 東京電力福島第1原発事故は原発の運転に巨額の費用リスクが伴うことを思い知らせた。電力業界の雄だった東電は実質国有化され、国は原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて資金を注入している。処理費用の見通しは約12兆円。除染、賠償、廃炉・汚染水対策−−そのコストはどのように発生し、どこから資金が生み出され、どこへ流れたのか。複雑な図式の裏側を探ると、事故時の責任の所在が曖昧な原子力行政のゆがみが浮かんだ。


住民不在、飛び地除染

 5年もの間、人の営みが途絶えた町に、汚染土を詰めた黒いフレコンバッグがうずたかく積まれていた。



 東京電力福島第1原発から西に約5キロ。全町避難が続く福島県大熊町の下野上(しものがみ)地区は帰還困難区域に含まれる。同地区の半分に満たない95ヘクタールで、昨年夏から放射線量を下げる本格除染が行われている。

 「ここだけ除染したってしょうがないべ。町内全てきれいにしてくれなきゃ意味がない」。同地区から同県いわき市に避難している岩本久美(ひさみ)さん(71)は首をひねる。町民の96%の居住地は原則立ち入りが禁じられる帰還困難区域だ。除染して線量が下がったとしても周りを同区域に囲まれた「飛び地」となり、住民の帰還につながる活用は考えにくい。同じ下野上でも岩本さんの妻が所有する貸家は除染対象だが、自宅は対象外だ。

 帰還困難区域は震災1年後の2012年3月時点で被ばく線量が年50ミリシーベルト超あり、震災から6年たっても帰還の最低限の目安となる年20ミリシーベルトを下回らない恐れがあるエリアとして線引きされた。国の除染の基本方針「除染ロードマップ」(12年1月)では、早期の帰還を進める居住制限区域(年50ミリシーベルト以下20ミリシーベルト超)と避難指示解除準備区域(年20ミリシーベルト以下)を優先し、帰還困難区域については「モデル実証事業の結果などを踏まえて対応の方向性を検討する」とした。だが、現在もその方向性は示されていない。

 その中でなぜ、下野上地区の除染だけが始まったのか。経緯をさかのぼると、14年8月に根本匠復興相(当時)名で公表された「大熊・双葉ふるさと復興構想−根本イニシアティブ−」に行き当たる。

 当時焦点となっていたのは、大熊町と隣の双葉町に建設候補地が絞られた中間貯蔵施設の受け入れだった。施設が建設されれば両町は用地として計約1600ヘクタールを失う。「代わりとなる土地の除染を進めて使えるようにしてもらうのが筋、と国に訴えた」(大熊町幹部)。その結果、構想には「復興拠点として重要な地区は帰還困難区域であっても優先的に除染する」との文言が盛り込まれた。

 根本氏は「両町長から(帰還困難区域の除染の)ビジョンを示してほしいと前から言われていたが、中間貯蔵施設について話す中でも求められた。大臣の構想という形にしたのは、予算が伴えば省庁から『もう少し表現を和らげて』などと言われるから」と話す。

 同じ頃、石原伸晃環境相(当時)も両町の町議会全員協議会で「除染を実施してまいります。町のご協力をお願いいたします」と約束している。中間貯蔵施設を建設する代わりに、住民の生活再建や地域振興のため両町や県に総額3010億円の交付金拠出を公表した直後のことだ。その後、県と両町は順次、建設受け入れを表明していく。

 政治判断が先行する形で決まった帰還困難区域の除染は、実務的な協議が始まると様相が変わる。大熊町が既に除染済みだった居住制限区域の大川原地区に隣接する400ヘクタールの除染を求めたのに対し、環境省側は「拠点になるところからやりたい」と主張した。飛び地の95ヘクタールだ。

 同省の担当者は「町と相談して400ヘクタールの中でも平地が広がり将来何らかの活用が見込めそうな場所を選んだ。拠点としての利用目的を町に確認しながら少しずつ階段を上っていきたい」と説明する。一方、大熊町の渡辺利綱町長は「飛び地だけを拠点にするなんて町民に言えない。400ヘクタール全体をやってほしいと言っているが、(国の態度が)はっきりしないんだ」と不満を隠さない。残り305ヘクタールの除染がいつ行われるかは、今なお見えない。

潤う業者、同意書集め

 「帰れるのかどうか国の方針も分からないまま除染したって、業者がもうかるだけじゃねえか」。大熊町下野上地区の岩本さんはつぶやく。同地区の95ヘクタールの除染の事業費は200億円。請け負うのは、99・9%の高落札率で1者応札した清水建設を幹事とする共同企業体(JV)だ。

 除染を実施するには、土地や建物を所有する住民の同意が必要だ。町が除染を求める計400ヘクタールについて、住民から環境省へ提出する同意書集めに奔走している建設会社がある。いわき市の「相双リテック」。大熊町出身で町外の会社で原発関連の仕事をしていた塚本泰英会長(51)が震災翌年に設立した。清水建設JVが同省から受注した除染全5件で1次下請けに入る。

 住民の同意書の送付先となる「清水建設除染相談室」を訪ねてみた。そこは、同市内にある清水建設の営業所ではなく、リテックが入るビルの1階だった。同意書集めには、地元業者も協力している。塚本会長は「知っている人が行った方が住民も安心するから、JVと相談してそうやっている」と説明する。

 一方、除染に参入する地元業者は言う。「清水にとっては地元業者をまとめてくれるリテックは使いやすい。地元業者もリテックに気に入られたら参入できるから、『金もうけのためか』と言われても住民の同意集めに協力するわけよ」

 町によると、住民の同意は8割超に上る。同意書集めの成果ともいえるが、町への帰還を望む住民が11・4%(15年復興庁調査)にとどまるという現実もある。自分も同意したという岩本さんは「私も含め既に町外に家を建てた住民も多い。除染をやりたいならやればいい」と話す。

 清水建設御中 支持協力表明 貴社にて本工事を受注した際には、全面的に協力させていただきます

 居住制限区域の大川原地区などの除染では13年の入札前、リテックはそう記された「誓い」も地元業者に提出させていた。この時は、入札に参加予定だった1JVが辞退し、残った清水建設JVが落札した。

 塚本会長は「一日でも早く町民が帰れるように町をきれいにしたい」と語る。清水建設も「一刻も早い復興に貢献したい」とコメントするが、一方で、同社の現地関係者は「除染がもうかるかもうからないかといったら、安定してもうけられるよ」と話す。

 除染事業に参入したゼネコン各社はそれぞれ、売り上げを伸ばしている。リテックも設立から4年で年商100億円の企業に急成長している。

費用負担者、今も曖昧

 帰還困難区域の除染は、住民の将来の帰還見通しに加え、費用を誰が負担するかも曖昧なまま始まっていた。そうなった発端は、原発事故の処理費用を巡る13年12月の閣議決定だ。

 同年10月30日、大島理森・自民党東日本大震災復興加速化本部長(当時)に1本の電話が寄せられた。「先生、おかげさまで、ありがとうございました」。電話の主は東電の広瀬直己社長。事故処理費用を巡って東電の救済策を盛り込んだ政府への提言に向け、党内の議論が峠を越えた頃だった。提言のとりまとめ役だった大島氏は「君たちにお礼を言われる筋合いはないよ」と突き放した。

 その約3カ月前。東電は福島第1原発で汚染水が海洋に流出するのを確認しながら公表が遅れ、国民に不信が広がった。安倍晋三首相はこの汚染水問題に「政府が前面に立つ」と表明し、470億円の国費投入を決めた。総額10兆円超と見込まれた廃炉、賠償、除染の費用を東電だけに負担させていたら、処理そのものが行き詰まる。そんな懸念が政府内で強まった時期だった。世論にも配慮しながら、どこまで国が肩代わりすればいいのか。それを探ることが大島氏の役割だった。

 提言に至るまでに、党内ではさまざまな意見が交錯した。

 除染や中間貯蔵施設整備の費用は放射性物質汚染対処特措法に基づき、環境省が東電に請求する仕組みとなっている。だが、額賀福志郎・同本部長代理(同)は「国が廃炉・汚染水対策・除染・中間貯蔵施設整備・賠償・生活再建支援でより前面に立った役割を担っていく」と、国の財政措置を可能にする新たな特措法を同本部に提案した。東電の負担する費用が膨らみすぎては、30〜40年かかるとされる廃炉を担う東電の人材が流出し、銀行の融資も危うくなる。額賀氏はそれを憂えたという。

 一方、大島氏は「東電の面倒を見過ぎると世論がついてこない」と考えていた。新たな特措法を退け、中間貯蔵施設については「(保管に)非常に長い期間がかかり、後の処理の問題も出てくるから国でやる」とエネルギー対策特別会計からの支出を提案することにした。東電に一旦費用請求し、東電を資金援助する原子力損害賠償支援機構(当時)に立て替えさせたうえで、最終的に同会計から費用を回収するというものだ。

 提言を受けた同年12月20日の閣議決定には「実施済みまたは現在計画されている除染・中間貯蔵施設事業の費用は東電に請求する」「現在計画されている除染を実施した後のさらなる取り組みについては公共事業的観点から実施する」と書かれた。

 当時、環境省が除染費用として約400億円を請求していたのに対し、東電は除染の事前調査費などの負担に難色を示し、支払いは67億円にとどまっていた。だが、閣議決定当日、132億円をまとめて支払う旨を同省に伝えてきた。

 ところが、さまざまな意見を反映させた末に、この閣議決定は大きな問題も残していた。閣議決定時点で計画がなかった除染については、費用請求の可否が示されていなかったのだ。

 この閣議決定を盾に、東電は環境省から一部請求されている帰還困難区域の除染費用について現在、支払いに応じる姿勢を見せていない。同区域の除染は大熊町下野上地区で既に行われ、来年度には双葉町でも始まる。だが、環境省除染・中間貯蔵企画調整チームが「特措法に基づき東電が負担すべきだ」と主張するのに対し、東電を指導する立場の経済産業省資源エネルギー庁電力市場整備室は東電の姿勢を支持し、関係省庁間でも意見はまとまらないままだ。

東日本大震災5年 福島第1原発事故(その2止) 浪江・賠償和解難航 - とり

2016/02/21 (Sun) 21:07:34

検証・大震災
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東日本大震災5年 福島第1原発事故(その2止) 浪江・賠償和解難航
毎日新聞2016年2月21日 東京朝刊



東京電力幹部(奥)に抗議する福島県浪江町の住民たち=東京都千代田区で2日、関谷俊介撮影



国費投入、仕組み複雑に

 今月2日夕、東京都千代田区の東京電力本店前に大型バス2台が止まった。バスを降りた福島県浪江町民約100人は、同社の会議室で東電の石崎芳行副社長に怒りをぶつける。「被災者に真摯(しんし)に向き合おうとしていない」。町民約1万5000人が国の原子力損害賠償紛争解決センターによる裁判外紛争解決手続き(原発ADR)に申し立て、精神的賠償の増額が和解案として示されたものの、東電はこれを拒み続けている。石崎副社長は「他の被災者との公平性を守らなければならない」と繰り返した。


 町民らはこの前に経済産業省と文部科学省も訪れている。だが、経産省は「賠償の基準は文科省の所管」、文科省は「東電を指導するのは経産省」というのが従来の立場。馬場有(たもつ)町長は「国は被災者に寄り添うと言いながら、全く寄り添っていない」と嘆く。

 原発事故に対する責任を決して明確にはしない−−。これが国の一貫した姿勢であるために、事故処理への国費投入は議論を呼び、国民に見えにくい形で負担を押しつける複雑な仕組みが必要となる。事故の1カ月後、被災者への賠償を巡り、仕組みは既に構築されていた。

 11年4月11日。内閣官房に設置された「原子力発電所事故による経済被害対応室」に、経産省、財務省、文科省の職員が集められた。同室は原子力損害賠償法の「政府は原子力事業者に対し損害賠償のために必要な援助を行う」という条項を具現化する作業に取りかかる。携わった一人は「2、3日で構想が固まった。賠償を万全に行うことを第一に、福島第1原発の安定化を図り、電力の安定供給にも支障をきたさないという目標を決めた」と言う。同年9月、この目標に向け設置されたのが原子力損害賠償支援機構(当時)だ。

 機構は国と原子力事業者(12社)が70億円ずつ出資し、学者や弁護士らを役員に加えて構成。国から現金化できる交付国債を受け取り、東電に資金援助する。他の原子力事業者は事故があれば同じ枠組みで支援を受けられる代わりに、負担金の形で東電の賠償費用の一部を肩代わりする。一種の「相互扶助組織」でもある。

 一見、東電や他の電力会社が賠償金を負担しているように見える。当時の民主党政権も同年6月に閣議決定した「支援の枠組み」に、「国民負担の極小化を図ることが基本」と盛り込んでいる。だが各電力会社は、発電コストに一定の利益を上乗せして電気料金を決める総括原価方式がとられ、機構に支払う負担金も同年10月の料金算定規則改正でコストとして認められた。東電は12年に8・46%の電気料金値上げをした際、年567億円分の負担金を反映させた。値上げした他社も同様に負担金を消費者に転嫁している。

 一方、「支援の枠組み」には「安定供給に支障が生じるなど例外的な場合に政府が補助を行うことができる条項を設ける」との一文も盛り込まれた。これが“抜け道”となり、13年12月の閣議決定で中間貯蔵施設への国費投入が可能になった。

 国は機構を通じて1兆円を東電に出資し、過半数の議決権を保有する。機構関係者は「国が手を引けば東電は資金ショートすると思う。彼らではできないから僕らがいろいろとやっている」と話す。

事業者、有限責任化訴え

 「事業者賠償の有限責任化など必要な見直しをご検討いただきたい」。昨年5月に始まった原子力損害賠償制度の見直しを検討する内閣府原子力委員会の有識者会議で、オブザーバーの小野田聡・電気事業連合会専務理事は負担軽減を求める発言を繰り返している。原賠法は原子力事業者が無限に責任を負うと定め、国の責任には触れていない。

 4月の電力小売りの全面自由化で本格的に始まる電力システム改革により、総括原価方式は早ければ19年度に廃止される予定で、負担金をどう捻出するかが各電力会社の課題となる。機構に次の事故に備えた積立金などもない。その中で既に国内の原発は3基が再稼働している。

 国は30年度の総発電量に占める電源ごとの割合について原発を20〜22%で維持する方針を示しており、原発回帰の流れは国策ともいえる。電力会社幹部は「国の基準を満たし再稼働が認められたのに無限に責任を負うのはいかがなものか」と訴える。

 これに対し、原賠法を所管する文科省関係者は言う。「事業者を有限責任にし、国が賠償するとしたら窓口が必要だ。それを自治体にお願いしたとしても本当にできるのか。手続きの経費もすごくかかるので国家賠償は一番避けたい。今は無限責任が建前だけど機構を通じて税金投入だってできる」。そして、間を置かずに続けた。「本当によくできた仕組みだよ」

損害賠償6.2兆円

 国は14年に国債を4兆円増額し、計9兆円を支援機構に交付。機構は国債を現金化して東電に賠償や除染の資金を援助しており、総額5兆7609億円に上る。またこれと別に、原賠法で義務付けられた補償契約に基づき、政府は東電に1889億円を支払っている。東電は賠償の最終的な総額を6兆1681億円と見積もり、うち5兆8478億円を支払った。

 機構には、東電を含む原子力事業者11社による一般負担金と、事故当事者の東電による特別負担金から返済する。一般負担金は、総括原価方式で電気料金に転嫁できる発電コストへの算入が認められており、各社が料金値上げの際に盛り込んだ。14年度までに機構に返ってきた負担金は、東電から2906億円(うち特別負担金1100億円)、他10社から3276億円。

 国債の利子は、税金で負担する仕組みとなっており、返済が延びれば、税金負担が1000億円を超える可能性がある。

除染・中間貯蔵3.7兆円

 除染費用、中間貯蔵施設費用、放射性物質に汚染された指定廃棄物の処理費用は環境省が立て替え、実施後に東電に請求する。総額は来年度予算分を含め3兆6770億円。中間貯蔵施設の費用はこのうち3293億円だが、同省の13年の試算では最終的に1・1兆円程度と見込まれている。

 これらの費用について東電は機構の資金援助を受けて同省に支払っているが、現在の支払額は3653億円にとどまる。

 除染費用は機構が保有する東電株の売却益で国に返す。会計検査院によると、1株1050円で売却すれば完済できる。現在500〜600円台で推移する株価が伸び悩んで完済できなければ、原子力事業者の負担金で穴埋めする。検査院は、賠償分も含めた回収に約30年間かかる恐れもあると試算する。中間貯蔵施設の費用は、電気料金に上乗せされる電源開発促進税を財源とするエネルギー対策特別会計から年350億円ずつ30年かけて機構経由で国に返される。

廃炉・汚染水2兆円

 廃炉・汚染水対策の費用として、東電は用意した1兆円に加え、国の指示を受けて13年に経費削減などで10年間に1兆円の積み増しを決め、総額2兆円となった。12年に電気料金を値上げした際、放射線管理の委託費や防護具の購入費など年487億円が総括原価方式によりコストに組み込まれ、電気料金の形で消費者が負担している。

 国も13年から技術的難易度が高いものは費用負担する方針を示し、今年度までに総額2048億円を投じている。内訳は、研究開発のための基金など685億円▽遠隔操作機器の試験施設の整備など867億円▽地中を凍らせ建屋への地下水流入を減らす凍土遮水壁345億円−−など。

 14年8月、原子力損害賠償支援機構に廃炉支援部門を設け、現在の名称に変更。事業者による負担金で賄っている機構の経費も部門増設により増える。賠償金の返済として14年度までに国庫に納付されたのは、これらの経費を差し引いた6411億円となっている。


 記事=関谷俊介、狩野智彦、小林洋子、高本耕太、遠山和宏/グラフィック=平山義孝/編集・レイアウト=高橋真志
http://mainichi.jp/articles/20160221/ddm/010/040/027000c?fm=mnm

風力発電能力、原発抜く 世界で新設最多 日本は出遅れ - とり

2016/02/24 (Wed) 16:09:58

おもしろ読み物
No.946

経済】 風力発電能力、原発…


2016/02/24 14:02


経済】
風力発電能力、原発抜く 世界で新設最多 日本は出遅れ
2016年2月21日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201602/CK2016022102000124.html


 世界の風力発電の発電能力が二〇一五年末に一四年末比17%増の四億三千二百四十二万キロワットに達し、初めて原子力の発電能力を上回ったことが、業界団体の「世界風力エネルギー会議」(GWEC、本部ベルギー)などの統計データで明らかになった。


 一五年に新設された風力発電は六千三百一万キロワットと過去最大で、原発約六十基分に相当する。技術革新による発電コストの低下や信頼性向上を実現し、東京電力福島第一原発事故などで停滞する原発を一気に追い抜いた形だ。日本は発電能力、新設ともに二十位前後で、出遅れが鮮明になった。


 GWECは「風力発電は化石燃料からの脱却を主導している。世界で市場拡大の動きがあり、一六年は、より多様な地域で導入が期待できる」としている。


 「世界原子力協会」(WNA、本部英国)の調べによると、原子力の発電能力は一六年一月一日時点で三億八千二百五十五万キロワットとなり、風力が五千万キロワット程度上回った。


 国別の風力発電能力の上位五カ国は中国(一億四千五百十万キロワット)、米国(七千四百四十七万キロワット)、ドイツ(四千四百九十五万キロワット)、インド(二千五百九万キロワット)、スペイン(二千三百三万キロワット)。日本は三百四万キロワットだった。


 日本は二十五万キロワットで、前年の十三万キロワットより増加したが、小規模にとどまっている。

「至道無難禅師集ー即心記ー」 - とり - とり

2016/02/24 (Wed) 23:31:18

「至道無難禅師集ー即心記ー」 - とり
http://observer.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6083436

大慧禅師発願文(だいえぜんじ・ほつがんもん) - とり

2016/03/08 (Tue) 18:56:54






No.3014

> >自己がないから、死んでい…


2016/03/08 01:32

>>No. 3011

> >自己がないから、死んでいないから、修行するんです。ホホー 面白言い訳だな、バカタレが!>まあ、坐禅の始めからだれでもそうなんですが、このことを、ああ、そうだったんだと、わかるのは、かなり大変ですオマエの様な外道は来世でも悟れんな、恥知らずメが!来世でも一生懸命に坐禅して接心して自己をシコシコ作りなされ 笑

まあ、本当は、自分で作らなきゃならないんですが・・・・とりあえず、わたしの請願は、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大慧禅師発願文(だいえぜんじ・ほつがんもん)

ただ願わくは某甲(それがし)、道心堅固(どうしんけんご)にして、

長遠不退(ちょうおんふたい)、四体軽安(したいきょうあん)、

身心勇猛(しんじんゆみょう)、衆病(しゅびょう)ことごとく除き、

昏散(こんさん)速やかに消(しょう)し、無難無災(むなんむさい)、

無魔無障(むまむしょう)、邪路に向かわず、

直に正道(しょうどう)に入って、煩悩(ぼんのう)消滅し、智慧増長し、

頓(とん)に大事を悟って、仏の慧命(えみょう)を続(つ)ぎ、

諸(もろもろ)の衆生を度して、仏祖の恩を報ぜんことを。


次に冀(こいねげわ)くは某甲、臨命終(りんみょうじゅう)の時、

少病少悩(しょうびょうしょうのう)、七日已前(しちにちいぜん)に、

預(あらかじ)め死の至らんことを知って、

安住正念(あんじゅうしょうねん)、末後自在に、この身を捨て了って、

速やかに仏土(ぶつど)の生じ、面(ま)のあたり諸仏に見え、

正覚(しょうがく)の記を受け、法界(ほっかい)に分身して、

遍(あまね)く衆生を度せんことを、

十方三世一切諸仏(じっぽうさんぜいっさいのしょぶつ)、

諸尊菩薩摩訶薩(しょそんぼさつまかさつ)、

摩訶般若波羅蜜(まかはんにゃはらみつ)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ライナス.・愚・スペースエクスプローラー

5/23 原稿 - とり

2016/05/20 (Fri) 15:27:13

2016年5月23日
新潟地方裁判所第2民事部合議係 御中
                     原告  ****
             意見陳述書
                          
1 先月、熊本、大分で地震がありました。
今も余震が続いています。多くの方が避難生活を送り、いつまた大きな地震が来るのかわからないという不安な思いで生活されています。心からお見舞い申し上げます。
この地震では多くの尊い命が失われました。
その中には、最初の大きな地震のときは避難できた方がその後自宅に戻ったところ、再び大きな地震がきて家屋の下敷きとなり亡くなられた方もいたと報道されています。
道路はいたるところで亀裂が生じ、不通となりました。
原発事故が同時に発生したら、どうなるでしょう。
避難できるのでしょうか。
余震で倒壊する危険性のある家屋の中にとどまることなどできるのでしょうか。
  国民の間で、川内原発に対し不安の声があがったのは当然のことです。
2 新潟県も地震の多い地域です。
新潟県中越沖地震発生の時、NHKのニュース報道で柏崎刈羽原発からの白煙が放映されました。
アナウンサーも無言になってしまいました。
大事故にならなかったのは、紙一重だったのかもしれません。
  私は、1964年新潟地震の被災者です。
学校も自宅も全壊し、床上浸水1.2mで、鍋釜、家財道具が流されました。地盤の液状化現象による被害でした。
私は、当時、裁判所ご近所の白山小学校6年生、鉄筋校舎三階の音楽室にいました。お昼休みだったので、楽器の練習をしていたのです。
突然の大揺れが長く続き、しゃがみ込みました。
窓の外では、昭和橋がパタンパタンと落ちてゆきました。揺れと共に25m水泳プールの水が波立ち大波になり、ビビビッと真っ二つに割れてしまいました。
校舎もあちこち亀裂が入り、瓦礫が落ちる中を避難しました。
川端町五丁目の自宅にいた母は、乗せていただいた砂利船で信濃川を遡る津波に乗ったそうです。
船頭さんが津波と直角に船を向けてくださったので、命拾いしたそうです。
深夜に母が戻ってくるまではとても不安でしたが、父が「だいじょぶだ!」ときっぱり励まし続けてくれました。
私たち家族五人は多くの物を失いましたが、いのちは奪われませんでした。
そして翌年夏、県営の被災者住宅に入居することが出来、徐々に普通の暮らしを取り戻すことが出来ました。
校舎・昭和橋・水泳プールなどなど、いずれも設計時に耐震を見込んで建設したはずです。
でも、全壊したのです。建造物は想定外に壊れます。
日本列島、大地震頻発の可能性もあります。
地震と原発稼働の両立は無理なのです。
3 もう一つの本音を言います。『差別は嫌だ』ってことです。
東京電力は火力水力等様々な種類の発電所をとてもたくさんお持ちです。
だけど、原発に限っては遠距離の福島・新潟になし崩しに造り、既得権のように増設し続けました。
そして、さらに遠隔地の青森県下北郡東通村に着工って、酷い話です。
東京湾での建設計画を打診してみたらいかがでしょうか。
首都圏のみなさんの意識も変革すると思います。
新潟県民はとても長い年月を掛けて反対意思表示を続け、東北電力巻原発計画の完全撤回を2003年にやっと迎えることが出来ました。ものすごく嬉しい事実でした。
4 そして、2011年東日本大震災。
東京電力の福島第一原発は大事故になってしまいました。
事故対策を怠っていたからです。すごく悔しいです。
1997年に柏崎市で、高木仁三郎先生の「原発過酷事故」の勉強会を受講しました。
その時のシミュレーションが、柏崎刈羽原発と福島第一原発でした。
わら半紙を綴じた分厚い資料と図表入りパンフレットは保存してあり、その内容を現実がなぞりました。
「原発で大事故が起きるのは、もう終わりにしたい」です。
5 これらの理由により、私は、東電柏崎刈羽原子力発電所の運転差止めを強く求めます。
以上




飯舘村 - とり

2016/07/12 (Tue) 18:45:40

飯舘村


差出人:秩子さん

送信日時
2016/07/12 14:21


本文:


本当に、新潟の激戦は、いい結果でしたね。



*野さん、ありがとうございました。



この前に飯舘村に行った報告を、今読みました。忘れていることもあるので、

私と同じように忘れている方があるに違いないと思うので、その報告を添付しますね。

去年の11月末のことでした。その時には、参加者全員で7人でしたが、

今回(7月9,10日)は17人、うち女性が5人でした。一人は明治大学の学生で、仕事が全然違っていたので、ほとんど交流できずでした。あとの3人は、概して年齢が同じで、当時東大だった方二人とお茶大だった方1名、というメンバーで、私を含めた4人が、夕食朝食作り係でした。皆それぞれに料理の腕のいい方ばかりで、おいしいものばかりが出来上がりました。

夜は、カツオのたたき(野菜たくさん)、グリーンカレー、ジャーマンポテト。

朝は、ちんげん菜中華風炒め、豚汁、野菜たちの浅漬け。



田尾さんが、私がこない間に新しくなったところを案内してくださいました。山手線の中の面積の3,5倍あるという飯舘村中を車で走ります。以前お知らせした黒い袋(除染した土が詰まっているフレコンパックと呼ばれているもの)はそこここに高く積み上げてあって、紫外線除けのシートが覆っていて、そこに中のガスを抜くための煙突が何本もたっているところもあります。私たちがいつもお邪魔している菅野宗夫さんの田んぼには、それが積まれていないので聞いてみました。わかったことは、田んぼの持ち主が置いていいと言ったら、一区画18万円支払って置くのだそうです。宗夫さんは、置くことを拒否しているから何もないということが分りました。実は、これで分かったことは、村に帰ってくる人たちは、自分の田畑にそれを置かないでいるということなのでした。村に帰らないという選択をしている人たちが、稲作をやって得られる収入と同じぐらいの収入をそのフレコンパックでえて、ほかの地で暮らすという選択をしているとのことでした。



去年尋ねていろいろと話を伺った比曽という部落は100軒ぐらいのうちたった2軒だけが、帰ってくるという選択をし、松塚は、山田猛史さんだけが、広い平野の田んぼの畔を取り払って、牧場にするのを再生の会が手伝っています。その隣り合わせの田んぼには、太陽光発電がずらーと並んでいました。これらの田んぼは、帰ってこない選択をした人たちが、電力会社などに土地を貸して、現金収入を得ているとのこと。

山田猛史さんが田んぼを牧場にするのは、田んぼとしては使えないからだそうです。というのは、土を剥いで除染した後、その上に砂をかけて整地したから、そこは田んぼにできないとのこと。



今回初めて連れて行ってもらったのは、小宮という120個ある部落の大久保金一さんの≪マキバノハナゾノ≫というところでした。自分の家の周りを花園にしているおじいさんがいる、という話はすでに聞いていました。この方は、母親と二人で、ここに住んでいて、つい今年になってから、お母さんが亡くなって一人暮らしになっていました。



「3,11の後、6月になってから、飯舘村は、全村避難と言われ、うちも母親と言われた通りのホテルに避難しました。ここでは、私は3日続けて眠れなかったので、一人でこの家に帰ってきました。幸いなことにこのホテルの隣が、母の弟の家だったので、母はここに残して、弟に母の面倒を託して、一人で帰ってこられたのです。その後、仮設住宅に入ったのですが、しばらくして、母が、「こんなところにいられるか!」と大声を出したので、それを機に、二人でここに戻ってきてしまったのです。でもここは、住んではいけないところとなっているので、住民票は、仮設にあります。

それから家の周りを花園にしようといろいろな花を植えました。25年に再生の会の田尾さんが、ここを訪ねてくれて、花を植えることを支援して、全国に呼び掛けてくれたのでした」

大久保金一さんは、なんと1940,1月生まれで、私と全く同じだったのです。田尾さんが、私たち2人気が合うだろうと言っていましたが、本当に話していると「同族」という感じがするのです。

彼が一人で住んでいる家は、山のふもとにあり、小宮の部落の一番奥という感じです。田尾さんが私をその山のふもとに連れて行ってくれました。登って行くと立て看板があり、そこには、寄付をしてくれた人々の名前が書いてあるのです。20~30人の名前が書いている看板が3枚立っていました。その人たちの寄付で、桜の苗木が一本ずつ植えられたのです。100本ぐらいの苗です。まだ花は咲かないけど、2~3年で咲くだろうとのこと。常に何かの花が咲いているという状態になるように種類を定めて植えているのだそうです。

家の前にある田んぼは、再生の会が、実験をしています。条件をちがえてみて、放射能がどうなるか、という実験です。



女性陣は、大久保金一さんがやせてきたと心配をしています。どうも食糧に問題があるのでは?というのです。その日も私たちと同じ弁当を持って行って一緒に食べたのですが、菅野千恵子さん(宗夫さんの妻)が作ったしょうが入りのきうりの塩漬けが残ったのを袋ごときれいに平らげてしまったのです。私は、ガス台にかけてあった鍋を開けてみたら、キャベツが煮てあったので、それなりに自分で作って食べているのではと思っていたのですが、「めまいがする」と言って医者にかかっているのだそうです。その医者というのが、再生の会の医療班の人たちで、60年世代の一緒にデモをしていた仲間たちでした。事故後5年たって、最近はストレスでうつ病とかかなり体調を崩している方が多いということでした。

来年3月には、帰るという選択をした人たちが帰ってきます。と言ってもほんの少しの人しか来ないようです。菅野宗夫さんのところも同居していた息子さん家族は、すでに北海道に移り住んで新しい生活を始めているとのことでした。原発で、家族がバラバラにされ、部落もバラバラにされ、村もなくなってしまいそうな気配です。大変なことです。



☆ ☆ 黒 岩 秩 子(ちづこ) ☆ ☆

  新潟県南魚沼市浦佐

http://www5f.biglobe.ne.jp/~chizuko/(旧) 

http://c-kuroiwa.at.webry.info/ (新)  

河野太郎 - とり

2016/09/12 (Mon) 10:00:32

河野太郎

9月10日 9:00 ·
..

この夏、エネ庁の中を怪文書が駆け回っている。

その怪文書を持って、議員会館の中をせっせと回る官僚もいる。

それをすっぱ抜いたのが9月8日付けの毎日新聞の記事だ。

東京電力の福島第一原発の廃炉費用や事故の賠償費用に、そのほかの原発の廃炉費用を合計すると8.5兆円になり、その負担を電力会社だけでなく、新電力にも求めようというスキームが描かれている。

電力自由化で、大手の電力会社から新電力への切り替えが進むと大手の電力会社の負担が増えるので、それを救済しようというエネ庁の画策だ。

つまり、電力の供給に大手電力会社の送電網を使わざるを得ない新電力が負担する託送料金にこうした費用を上乗せして徴収し、新電力と契約した消費者にも負担をさせようというのだ。

安倍政権で進めてきた電力自由化に全く逆行する。

電力自由化の狙いの一つは、大手電力会社と新電力が競争し、あるいは地域独占で高い利益を上げてきた大手電力会社同士が競争し、電力料金が下がっていくことにある。

新電力の消費者が使ってもいない原発のコストを負担させられたら電力自由化は意味を失う。

過去にNTTの電話を使ったことがあるからといってauやソフトバンクの利用者にDoCoMoのコストを負担させるようなものだ。

そもそも原発のコストはバックエンドを含めても安いとエネ庁も電力会社も主張してきた。 もちろんそれが明らかな嘘であると知りながら。

2012年9月21日付けのブログ「原発再稼働と電力会社の経営」 http://www.taro.org/2012/09/post_1266.php で、廃炉費用の引き当て不足について書いたが、電力会社は利益を増やすために必要な廃炉の引き当てをしてこなかった。

利益は懐に入れさせておいて廃炉費用を国民に押し付けようというのはおかしい。

もともと原発のコストには、バックエンドから事故の賠償から、すべて入っての計算のはずだ。 経営判断としてそれを推し進めてきたのだから、その責任は電力会社が負担するのは当然だ。

さらにこれまで電力会社やエネ庁が主張してきた廃炉費用の見積もりにも疑念がある。

ドイツの廃炉費用の見積もりやすでに始まっている東海原発の廃炉費用の見積もりと比べて、大幅に安い。

さらに資産計上されている核のゴミについても本当に資産なのかどうか疑わしい。

さらに福島第一の事故に関する費用は膨れ上がる一方だ。

原発で儲けた電力会社は、当然に、原発事故に関する賠償や費用を負担する必要がある。

資本主義の中で、利益を出している上場企業に税を投入したり、株主、経営者、貸し手の責任が追及される前に消費者に負担が押し付けられるようなことがあってはならない。

事故から5年、国民ももはや原発のことはそれほど気にしていない、声を上げないというのが今のエネ庁の考えだ。
そして喉元は過ぎたというエネ庁が正しいのかどうか、電力会社は静かに見ている。

「小さなシミ」の上に生きるあなた。26枚の写真が示す人間の小ささ - とり

2016/09/12 (Mon) 22:57:37

「小さなシミ」の上に生きるあなた。26枚の写真が示す人間の小ささ
宇宙、人類…宇宙
posted on 2016/01/06 19:03

1. これが地球! あなたが住んでいるところ
2. そしてこれが地球のご近所さん、つまり、太陽系
3. これは地球と月の間の距離を示したもの。遠すぎてよく見えませんね?
4. もう一度考えてみると、その距離の中に太陽系のすべての惑星をちょうどうまい具合に収めることができます
5. では、惑星について話をしましょう。この緑のシミは木星の上に置かれた北アメリカ大陸で
6. そしてこれは土星と比べた地球のサイズ(6個の地球ですが…)
7. それとこれは、もし地球の周りに土星のリングがあったらどう見えるかというもの
8. ここにあるのは彗星。このならず者のひとつに探査機が着陸しました。これはロサンゼルスと比べたら彗星がどう見えるかというもの
9. でも、太陽に並ぶものはありません。これを忘れないでください
10. これは月から見たあなた
11. これは火星から見たあなた
12. これは土星のリング越しに見たあなた
13. これは64億キロメートルの彼方の海王星越しに見たあなた
カール・セーガンの言葉を言い換えると、あなたがこれまでに知ったすべての人や物事は、その小さなシミの上に存在します。
14. 少し後に下がりましょう。これはわたしたちの太陽のサイズと比較した地球のサイズです。恐ろしいでしょ?
太陽は画像に収まり切れません。
15. これ、火星の地表から見た同じ太陽です
16. しかし、大したことではありません。これもやはりカールが感慨深く言ったように、地球上のあらゆるビーチの砂粒よりも多くの星が宇宙には存在するのです
17. つまりそれは、私たちの太陽よりずっとずっと大きい太陽があることを意味します。私たちの太陽はなんて小さくて取るに足らないことでしょう:
私たちの太陽は、ちっぽけなものです。
18. もう一つの見方があります。 最大の星である、おおいぬ座VY星は、私たちの太陽より10億倍大きいのです:
「小さなシミ」の上に生きるあなた。26枚の写真が示す人間の小ささ
19. しかし、どちらも銀河系のサイズには適いません。実際、太陽を白血球のサイズまで縮小したとして、同じ縮尺で銀河系を縮小するならば、銀河系はアメリカ合衆国のサイズになるでしょう:
20. なぜならそれは、銀河系が巨大だからです。ここが、その中にあるあなたの住んでいるところです:
21. しかし、これは、あなたがこれまでに見たものすべてです:
(これは銀河系の画像でありませんが、こういう感じだということです。)
22. しかし、私たちの銀河系でさえ、ほかと比較したらおチビちゃんです。 これは、銀河系とIC 1011(地球から3億5000万光年離れています)との比較です: そこの中にすべてがあると考えてみましょう
23. さらに大きく考えましょう。 ハッブル望遠鏡で撮られたこの写真の中に、無数の銀河があり、それらの銀河にはそれぞれに何百万もの星があり、それらの星にはそれぞれに惑星があるのです
24. これは銀河の1つ、UDF 423の写真です。この銀河は100億数光年離れています。この写真を見るとき、あなたは10億年前の光を見ているのです。 他の銀河のいくつかは、ビッグバンからほんの数億年後に作り上げられたと考えられます
25. それと、これを覚えておいてください — これは宇宙のとても小さな小さな一部の写真です。夜空の取るに足らないわずかな断片です
26. そして 知ってのとおり、 いくつかのブラックホールがそこにあったとしても、まったく安全です。 これは地球の軌道と比較したブラックホールのサイズです:
だから、大好きなテレビ番組が中止になってしまわないかと心配ならば、はたまた、クリスマス音楽が演奏されるのはちょっと時期が早すぎないかと心配ならば、 — 覚えていてください…
これが、あなたの故郷です
これは、あなたの故郷である地球から太陽系までズームアウトするとき、起こることです
そして、これは、より遠くへとズームアウトするとき、起こることです…
そして、より遠くへ…
https://www.buzzfeed.com/daves4/ko-no-26-mai-no-shashin-wo-mi-re-ba-a-na-ta-ha-jibun-no-sonz?utm_term=.orx7Vbz6p#.mc0XYO521

知事選立候補 ~現在と未来への責任~ とり

2016/09/23 (Fri) 23:59:33

知事選立候補 ~現在と未来への責任~
米山 隆一
at 2016/9/23 23:28:09


 本日、民進党を離党して、新潟県知事選挙への立候補を表明いたしました。

 民進党の離党は私としては心から残念ですが、やむを得ないものと思います。

 立候補の理由は書きだせばいくらでもあるのですが、一言で言うなら、「現在と未来に対し、責任を果たすべきだ。」と思うからです。

 今回の選挙の大きな争点が柏崎刈羽原発の再稼働紋断であることは、論を待ちません。既に各所で指摘されている通り、私はかつて原発推進派でした。但しそれは、「現状を容認するのではなく、より安全で、より安心な原子力技術の開発で問題を解決すべきだ。」と言うものでした。
 しかし、福島第一原発事故と、その後5年経った今でも、全く事故収束の目途がつかない現状を見て、私は意見を変えました。我々は、原子力発電という技術に伴う危険の全像を全く理解していなかったのです。私は、福島第一原発事故の原因とその発生プロセスの徹底的な究明、事故の健康への影響の徹底的な究明、そして万が一事故が起こった場合の安全確保(避難)の手段の徹底的な究明の3つの究明がなされない限り、再稼働の議論は始められないという泉田知事の路線は、現在と、そして未来の、県民の命と健康に責任を持つものとして当然だと思います。

 一方私は知事選が、原発問題のワンイシューで争われるべきだとは全く思いません。原発問題は勿論とても重要な問題ですが、本質的にはリスク管理の問題であって、何かの価値を生み出し、提供するものではないからです。

 では何を生み出すかと問われたら私は、まず第一に、子育て、医療、介護の環境を整備して、県民の皆さんに、新潟県で、心から安心して、子供を産み、育て、医療を受け、そして介護を受けられる環境を作りたいと答えたいと思います。今、日本の医療、介護は、急速な高齢化によって、率直に言って崩壊の危機に瀕しています。医療、介護の制度を作るのは国ですが、その執行機関は県です。国の制度の範囲内であっても、私は、県の、着実で効果的な執行、予算の重点配分、そして創意工夫によって、この新潟で、安心で安全な福祉の環境を作ることは可能だと思いますし、少しでもそこに近づくための努力をすることが、現在と未来に対する政治の責任であると思います。

 産業政策は、率直に言って国の制度に依拠するところが大きいのですが、例えば農業県であるわが県にとって非常に大きな問題であるTPPについては、政府がまとめた協定について我が県としての問題点をはっきりと指摘し、戸別所得補償制度等の、明確で実効性のある対策を国に求めたいと思います。
 そして国に我が県の要望を的確に伝えると同時に、例えば新幹線の新潟空港乗り入れや新潟港の整備等で新潟県の利便性を向上させると同時に、農業、工業、商業において努力する企業が円滑にビジネスを進められる環境を整えて、雇用の増加を図りたいと思います。

 そして何より、今を生きる我々が果たすべき最大の未来への責任は、一にも二にも、教育です。義務教育、高校教育の執行機関である県は、誰もが、その能力に応じて、質の高い教育を受けることができる環境を作る、最大限の努力をすべきだと思いますし、その努力によって、私は、子供たちの未来、そして県の未来を、実際に向上させることができると、信じています。今話題となっている国の奨学金の不十分な点については、県のレベルで、これを補う奨学金を作ってくことも必要でしょう。

 以上は概略的に挙げたものにすぎませんが、私は、これらのわが県の様々な政策課題を、着実に、効果的に、創意工夫をもって実行することで、私達の、現在と、そして未来への責任を果たしていきたいと思っています。
 そしてその為に、全力で選挙戦を戦いたいと、思います。

 国政から県政にフィールドが変わりましたが、誰もが、理不尽な思いをすることなく、実りある人生を享受できる社会を作りたいという私の志は、少しも変わっていません。変わらぬご支援を頂けますよう、心からお願い申し上げます。
http://www.election.ne.jp/10840/99166.html

ダム底、高濃度セシウム 原発周辺、10カ所8000ベクレル超 とり

2016/09/25 (Sun) 22:35:15

東日本大震災:福島第1原発事故 ダム底、高濃度セシウム 原発周辺、10カ所8000ベクレル超
毎日新聞2016年9月25日 東京朝刊
社会 環境 事件・事故・裁判
高濃度の放射性セシウムがたまっている福島県内の大規模ダム
 東京電力福島第1原発周辺の飲料用や農業用の大規模ダムの底に、森林から川を伝って流入した放射性セシウムが濃縮され、高濃度でたまり続けていることが環境省の調査で分かった。50キロ圏内の10カ所のダムで指定廃棄物となる基準(1キロ当たり8000ベクレル超)を超えている。ダムの水の放射線量は人の健康に影響を与えるレベルではないとして、同省は除染せずに監視を続ける方針だが、専門家は「将来のリスクに備えて対策を検討すべきだ」と指摘する。
<原発事故でよく聞くベクレルって何?>
<ダム底に高濃度セシウム たまる汚染、募る不安>
貯水線量、飲料基準下回る
 同省は原発事故半年後の2011年9月、除染されない森林からの放射性物質の移動を把握するためダムや下流の河川などのモニタリング調査を開始。岩手から東京までの9都県のダム73カ所で1カ所ずつ数カ月に1回程度、観測している。
 このうち底土表層濃度の11〜15年度の平均値が指定廃棄物の基準を超えるダムは、いずれも福島県内の10カ所で、高い順に岩部(がんべ)ダム(飯舘村)1キロ当たり6万4439ベクレル▽横川ダム(南相馬市)同2万7533ベクレル▽真野ダム(飯舘村)同2万6859ベクレル−−など。ただ、表層の水は各ダムとも1リットル当たり1〜2ベクレルで、飲料水基準の同10ベクレルを下回る。
 同省の調査ではダム底に堆積(たいせき)したセシウム総量は不明だが、10ダムのうち福島県浪江町の農業用「大柿ダム」で、農林水産省東北農政局が13年12月、総量を独自調査。ダム底の110カ所から抜き取った堆積土の数値をもとに10メートル四方ごとの堆積量を試算。セシウム134と137の総量は推定値で約8兆ベクレルになった。
 国立環境研究所(茨城県つくば市)は近く、複数のダムで本格調査に乗り出す。環境省は「ダムに閉じ込めておくのが現時点の最善策。しゅんせつすれば巻き上がって下流を汚染する恐れがある」としている。【田原翔一、栗田慎一】
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クローズアップ2016:ダム底 高濃度セシウム たまる汚染、募る不安
毎日新聞2016年9月25日 東京朝刊
社会 気象・地震 事件・事故・裁判
セシウムが指定廃棄物の基準を超える濃度でたまっている大柿ダム=福島県浪江町で2016年7月、本社ヘリから徳野仁子撮影
 東京電力福島第1原発周辺のダムに放射性セシウムがたまり続け、実質的に「濃縮貯蔵施設」となっている。有効な手立ては見当たらず、国は「水は安全」と静観の構えだ。だが、福島県の被災地住民には問題の先送りとしか映らない。原発事故がもたらした先の見えない課題がまた一つ明らかになった。
国「放置が最善」/地元「決壊したらどうする」
【ダムにたまったセシウムのイメージ】
 「このままそっとしておく方がいいのです」。福島県の10のダム底に指定廃棄物の基準(1キロ当たり8000ベクレル超)を超えるセシウム濃度の土がたまっていることを把握しながら、環境省の担当者はこう言い切る。
 同省のモニタリングでは、各ダムの水に含まれる放射性セシウムは1リットル当たり1〜2ベクレルと飲料水の基準(同10ベクレル)を大きく下回る。ダム周辺の空間線量も毎時最大約2マイクロシーベルトで、「近づかなければただちに人の健康に影響しない」。これが静観の構えを崩さない最大の理由だ。今のところ、セシウムは土に付着して沈み、底土からの放射線は水に遮蔽(しゃへい)されて周辺にほとんど影響を与えていないとみられる。
 国が除染などを行うことを定めた放射性物質汚染対処特別措置法(2011年8月成立)に基づく基本方針で同省は「人の健康の保護の観点から」必要な地域を除染すると規定している。ダムに高濃度のセシウムがたまっていても健康被害の恐れが差し迫っていない限り、「法的に問題ない」というのが同省の見解だ。
 「ダムが水不足で干上がった場合は周囲に人が近づかないようにすればいい。もし除染するとなったら作業期間中の代替の水源の確保はどうするのか。現状では除染する方が影響が大きい」と担当者は説明する。
 こうした国の姿勢に地元からは反発の声が上がる。
 「環境省はダムの水や周囲をモニタリングして監視するとしか言わない。『何かあれば対応します』と言うが、ダムが壊れたらどうするのかと聞いても答えはない。町民に対して環境省と同じ回答しかできないのがつらい」。政府が来年春に避難指示区域の一部を解除する浪江町のふるさと再生課の男性職員がため息をついた。
 町内の農業用ダム「大柿ダム」では農水省の調査でセシウムの堆積(たいせき)総量が約8兆ベクレルと推定(13年12月時点)されている。農水省はダムの水が使用される前に、堆積総量や水の安全性を再調査する方針だ。福島県産の農水産物は放射性物質の規制基準を下回ることが確認されてから出荷される。それでも町の男性職員は「いくら水が安全だと言われても、ダム底にセシウムがたまったままで消費者が浪江産の農産物を手に取るだろうか」と風評被害への懸念を口にする。
 同町から福島県いわき市に避難中の野菜農家の男性(57)は「国は安全だと強調するばかりで抜本的な解決策を検討する姿勢が見えない。これでは安心して帰還できないし、農業の再開も難しい」と憤りを隠さない。【栗田慎一、久野華代】
森林から流入、今後も
 環境省が言うように放置して大丈夫なのか。
 同省のモニタリング調査では、10ダムの底土の表層で観測されたセシウム濃度は年月が経過しても必ずしも右肩下がりになっていない。大柿ダムでは15年11月に突然、過去2番目となる1キロ当たり10万7000ベクレルを観測するなど各ダムでばらつきがある。理由は不明だが、大雨の後に数値が上がる傾向があるという。環境省の担当者も「(10ダム)全体を見るとほぼ横ばい」と話す。原発事故直後、森林に大量に降り注いだセシウムが時間をかけて川に流れ出し、ダム底で濃縮される現象は今後も続くとみられる。
 ダムのセシウム総量調査に着手する国立環境研究所の林誠二・研究グループ長は「土や泥に吸着したセシウムが今後、環境次第で水に溶け出す恐れがある」と指摘する。
 これまでの調査によると、微生物が活性化し、アンモニアが水中に増える夏場は、ダム低層の水のセシウム濃度が表層の1・5倍になることが確認された。アンモニウムイオンがセシウムより強く土に吸着するため、セシウムが溶け出している可能性があるという。今のところ、人体に影響しないとされるレベルだが、林グループ長は「将来、上流域に住民が戻った時、生活排水などによる水質変化でセシウムが溶け出しやすい環境になることは否定できない」と懸念する。
 ダムには年間で平均5センチ前後の土砂がたまるといわれ、セシウムを吸着した土が既に30センチ近く堆積しているダムもあるとみられる。林グループ長は「巨大地震によってダムが決壊した場合や土砂でダムが満杯になった後はどうするのかという問題もある。将来世代にツケを回さないという視点で調査をしたい」と話す。
 東日本大震災では福島県須賀川市の農業用ダムが強い揺れで堤防に亀裂が入って決壊し、下流域で8人が死亡・行方不明となった。「ダム底に放射性物質がたまるという事態は想定されていなかった」。河川工学が専門の大熊孝・新潟大名誉教授は驚きを隠さない。「しゅんせつすべきかどうかは分からないが、ダム自体の強度を調査しておく必要がある」と指摘する。
 放射性物質の動態調査を続ける恩田裕一・筑波大教授(水文地形学)は「手をつけない方がいい」という立場だ。「高濃度のセシウムがたまったままでは気持ち悪いという思いは分かるが、水には問題がないので今は閉じ込めておいた方がいい」と話す。
 原発の危険性を訴えてきた今中哲二・京都大原子炉実験所研究員は「打つ手がないのであれば、移住か帰還かを判断する材料となるデータを住民にきちんと示すべきだ」と語る。
 国立環境研究所の調査に協力している日本原子力研究開発機構(JAEA)は、ダム底でセシウム濃度を測定する新型ロボットを開発中だ。高さ約1メートル、重さ140キロの箱形。遠隔操作でダム底に接地し、1地点1〜2分で濃度を測る。JAEA福島研究開発部門の眞田幸尚サブリーダーは「表層を広域に調べれば新たにたまるセシウムの総量を知ることができる」と話す。小型化や操作性の向上を図り、今年度中の完成を目指す。【田原翔一、岡田英】
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福島第1原発事故 ダム底、高濃度セシウム 山田国広・京都精華大名誉教授(環境学)の話
毎日新聞2016年9月25日 東京朝刊
社会 環境 事件・事故・裁判
全体像の把握を
 ダムは放射性物質を厳重に保管する構造物ではない。国は底にたまったセシウムの全体像を把握し、示すべきだ。
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http://doshisha39.blog130.fc2.com/blog-entry-8702.html

原発を中止させた町 〜窪川町と南島町〜 とり

2016/09/26 (Mon) 23:06:56


田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第551号
2016.9.26発行
http://www.mag2.com/m/0000251633.html

■□■□◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□



※このメルマガは転送転載、大歓迎です。


Contents
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1.『 原発を中止させた町 〜窪川町と南島町〜 』

2.英断に喝采 ローマ初の女性市長が五輪招致を“取り下げ”

3.オススメ動画「フォークス・オーバー・ナイブズ〜いのちを救う食卓革命〜」

4. 東京電力"最高値を更新"を"やや高め"と発表

5. 田中優宅 オフグリッドレポート 2016.9.24 

…………………………………………………………………………………



□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■


『 原発を中止させた町 〜窪川町と南島町〜 』



■興津の浜

 全国津々浦々を講演旅行していたせいもあって、全国どこの原発も見て来てい
る。そのせいもあって勘も働く。先日家族で海水浴に出かけたときも原発の匂い
を感じた。切り立った岩山をくねくねと下っていく道、「鳴り砂」があるほど美
しい浜、汚れのない海、まさにこういうところが原発に狙われる。


 場所は四国高知県、四万十市の海だ。家族連れなので遠浅の砂浜、汚れのない
海、混まない場所を探した。幸い岡山県から四国は近い。本州四国連絡橋を使え
ば家から一時間ほどで四国に着く。瀬戸内もきれいだが、今回は透明度の高い太
平洋を選びたかった。そして見つけたのが興津海水浴場だった。スマホのナビに
従って走っていくと、海岸べりのハウスが並ぶ小道に着いた。とても海水浴場に
見えない。近くの人に聞くと、とても親切に教えてくれた。そこに行けば海水浴
場もシャワーやトイレ設備もあると。

 到着してみると、施設も充実した美しい海岸だ。小耳にはさんだ「結構人がい
るけど大丈夫だ」の声を気にしながら砂山を乗り越えると、全然空いている。関
東ならガラガラと表現するようなレベルだが、こっちの人にとっては少なくない
のかもしれない。



■窪川原発予定地

 新たに来た人が、海の監視員さんと話しているのが聞こえた。
 「こないだ福島の飯館村に除染ボランティアに出かけたんだ」と話している。
そして話の最後に「ここに原発ができなくて良かったよ」と。


 そうだ、ここは窪川原発の予定地だった窪川町だった。今は四万十市に併合さ
れているが、かつては窪川町だった場所ではないか。地図で調べてみると、原発
予定地は別な岬の裏側で、少し離れた場所にある。未舗装の断崖絶壁に続く細い
小道で、家族連れでないときでないと行けそうにない。


 そこでは島岡さんというもともと警察に勤めていたことのある人がいて、その
人が地元に帰って農業を始めていた。自民党の党員だった島岡さんは、あるとき
既成事実のように原発建設計画のあることを聞き、ひとり反対を決意した。自民
党の町議員だというのに単身で共産党の集まりに出かけ、「ここの町では保守系
の人が圧倒的に多い。革新の人が反対運動をやっても負ける。私を反対運動の代
表にしてくれないか」と主張し代表となる。

 島岡さんは不審者の車に跳ねられたり、腹を刺されたりしているがくじけな
い。「オレを殺しても反対の運動は続くぞ」と。そして町長リコールに成功した
が再び旧町長が返り咲くも、原発推進の予算を組ませなかった。そして1986年に
チェルノブイリ原発事故が起こり、周囲の漁協も調査に反対して身動きできない
ところに追い詰め、町長は辞任し原発計画は白紙になった。


 特に福島原発事故が起きてからは、島岡さんのおかげであんなことにならずに
すんだと手のひらを返したように称賛されたそうだ。それまでは町を分裂させた
張本人であるかのように、誰も話しかけてこなかったと述懐している。



■芦浜原発予定地

 ぼく自身は三重県南島町の芦浜原発予定地にも関わっていた。芦浜もまた美し
い浜だが、そこに人は住んでいない。大きな津波が来た時に全滅したと聞いた。
確かに人の住んでいた形跡は残っているのだが。芦浜原発では反対運動が続いて
いた。計画発表が1964年で、計画中止に追い込んだのが2000年だから、闘いは37
年に及んだ。それだけ長いと最初の反対運動に30歳で関わった人ですら67歳に
なってしまう。長引く反対運動のせいで、反対運動は代替わりをしなければなら
なくなっていた。

 その代替わりの時期に芦浜原発予定地を訪問し、地元で反対する若くて乱暴だ
が勢いのいい小西さんという漁師と意気投合して関わることになった。友人の弁
護士が参加して、訴訟費用が安くなってから初めての「株主代表権訴訟」をここ
でした。本来、株主の利益を守るための訴訟費用を安くしたのに、原発反対に利
用したとさんざん叩かれたが、それは中部電力の動きを鈍らせる効果は持った。
友人の弁護士は本当に立派だった。

 「先生よぉ、オレたちゃカネ払ってんだから先生の方でやってくれよ」と漁師
たちが半分脅しのような声でやってきても、「ぼくらのやれることは相手の足を
一瞬止めさせるだけのことだ。あんたたちが運動してくれないと止まらないよ」
と答えていく。文字など数十年書いたことがないという漁師に反対の決意を書か
せ、「これでいいんだよ、きちんと書けてるじゃないか」と言って励ます。その
おかげで漁師町の人たちは弁護士に依存することなく、中部電力本社前にバス10
数台をチャーターして乗り込む。



■彼らのおかげで浜は残った


 事態はあっけなく終息した。2000年2月、三重県知事が涙ながらに中電に中止
を訴え、それを受けて中電が中止を決意したというものだ。しかし話がうますぎ
る。実際には電力自由化の流れの中で中電は費用のかかる原発と揚水発電所の建
設を断念せざるを得なくなり、南島町の過半数を握っていた反対運動のせいで
も、経営の問題でもなく見せながら、白紙撤回したのだ。その下準備が整ったと
ころで県知事の県議会への説明があったから、翌日には中電も中止を承諾したの
だろう。

 どちらの原発予定地も、計画を止めたのは地域の人々だった。島岡さんや小西
さんのような名もなき地域の人たちが止めたのだ。芦浜原発予定地だった南島町
では、止めるまでに長い時間がかかった、それだけでなく推進・反対の対立で、
地域から祭りが消えるほどの分裂を招いた。それだけでなく南島町でも運動の中
心メンバーのひとりが不審死している。遠い東京にいるぼくにすら、職場や家ま
で嫌がらせのハガキが届いた。南島町の人たちからお礼を言われたが、お礼を言
いたいのはぼくの方だった。


 今見る美しい海辺は、誰かの命がけの努力のおかげで保たれている。気持ち良
い浜での海水浴ができることすら、彼らのおかげだ。自然の浜にも人の歴史があ
るのだ。


( 川崎市職員労働組合様へ寄稿したものを、好意を得て転載しています。)




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◆英断に喝采 ローマ初の女性市長が五輪招致を“取り下げ”◆

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田中優「こんな英断は歓迎です。」

  ◇   ◇   ◇   ◇  


▼「英断に喝采 ローマ初の女性市長が五輪招致を“取り下げ”」
(日刊ゲンダイ 2016.9.23)

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190376/1 より


今年6月、ローマ初の女性市長となったビルジニア・ラッジ氏(38)の
英断にローマ市民から拍手喝采が起きている。

イタリアは2024年夏の五輪招致を目指してきたが、
今月21日、招致反対の立場を鮮明にした。

ラッジ氏は会見で、五輪開催には税金が使われ
「市民や国民の借金を増やすことになる」と指摘。

「スポーツを市内に大量のセメントを流し込む理由にしたくない」と説明した。
ローマは近く正式に立候補を取り下げる見通し。



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◆オススメ動画「フォークス・オーバー・ナイブズ〜いのちを救う食卓革命〜」◆

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田中優より

このDVD、観ました。とても面白いし、知っていた方が良い話です。
最初に聞いたのは「百姓屋敷わら」の船越さんからでした。


−−*−−*−*−−*−−*−−*−


DVD「フォークス・オーバー・ナイブズ〜いのちを救う食卓革命〜」予告編
動画→ https://www.youtube.com/watch?v=G5RNyB1sP7E


2012.12.19発売
DVD「フォークス・オーバー・ナイブズ〜いのちを救う食卓革命〜」
4,410円(tax in)/COBM-6385/112分収録
http://columbia.jp/forksoverknives/
http://columbia.jp/prod-info/COBM-6385/

上映情報  http://vegerevo.com/


牛乳を飲むと骨がもろくなる?
高タンパク低脂肪が前立腺ガンを引き起こす?

【食に対する常識を覆し、全米大ヒットを記録した
現代人必見のドキュメンタリー映画!】

1940年代から、完全食品として推奨されてきた牛乳。
酪農業を営む家で少年時代を送っていたキャンベル博士も、
これを当然と信じて疑わなかった。

しかしあるとき、動物性タンパク質とガンとの関連に気付いた博士は、
どの食物が何の病気の原因となるかを調べる大規模な調査に乗り出す。


一方、外科医としての実績を積んでいたエセルスティン博士は、
いくら手術で患者を治しても、これから病気になる患者はけっして減らないと
いう現実にジレンマを抱いていた。

栄養学と外科の世界的権威である、二人の博士が達した結論は
─動物と加工食品を食べず、菜食の実践で病は防げるということ。
そして多くの生活習慣病を治療することも可能だということ。


両博士の考えにインスパイアされたリー・フルカーソン監督は、
膨大なインタビューと科学的検証を通して、"食"の常識に鋭く切り込む。

薬漬けの日々を送る男女や、回復が見込めない心疾患だと診断された患者たち。
彼らに現れた変化を知った監督は自らも菜食に挑み、驚くべき効果を目の当たりにする!

加工食品に偏った手軽な食生活。
食品業界の意向が優先される学校での食事プラン。
肉を食べないと力が出ないという思い込みなど、日常に潜む問題点に警鐘を鳴らし、
食(フォーク)はメス(ナイフ)を征するという事実を明らかにする問題作である。


●コメント
「この映画を見て、すぐにキッチンの動物性食品を片付けた。
以来、5ヶ月半の間、ずっと菜食を続けている」---ジェームズ・キャメロン監督

「これは、あなたの命を救う映画だ!」---R・エバート(シカゴ・サン・タイムズ紙)

「菜食以上の医療を、私はしらない」---コリン・キャンベル博士

「2011年、1本のドキュメント映画が、最先端とされるアメリカの医療と栄養学の
世界に激震をもたらしました。
敬愛するキャンベル博士とエセルスティン博士らの成し得たすばらしい業績が、
こうして多くの人の目にふれたことに感激しています。
この映画が伝えるメッセージは、病気に苦しむ多くの日本人も救済することでしょう。」
-----松田麻美子(自然健康・治癒学博士、日本ナチュラル・ハイジーン普及協会会長)


■特典映像(インタビュー)
食物という薬(コールドウェル・エセルスティン博士)
有機飼育の肉や乳製品は安全か?(コリン・キャンベル博士)
糖尿病について/乳製品と税金(ニール・バーナード医師)
菜食主義の利点(パム・ポッパー博士)
ブライアン・ウェンデル(製作総指揮)、リー・フルカーソン(監督)


●出演 コリン・キャンベル博士(著書「葬られた『第二のマクガバン報告』」グスコー出版)
コールドウェル・エセルスティン博士(著書「心臓病は食生活で治す」角川学芸出版)
ニール・バーナード医師/パム・ポッパー博士/他
●監督 リー・フルカーソン
●製作総指揮 ブライアン・ウェンデル


2011年アメリカ作品 96分+特典16分
片面1層,チャプター有,メニュー画面 日本語字幕
カラー/16:9LB
音声 ステレオ/ドルビーデジタル


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◆東京電力"最高値を更新"を"やや高め"と発表 ◆

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田中優より

福島原発港湾内で汚染が最高値を記録。
"やや高め"と"最高値を更新"ではずいぶんイメージ違うけど。


  ◇   ◇   ◇   ◇  


▼「セシウム評価を矮小化 福島第1原発港湾内、最高値を「やや高め」」
(福島民友 2016.9.23)
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160923-113823.php より


 東京電力は22日、福島第1原発の港湾内で21日に採取された海水の分析結
果について、2地点でセシウム137の濃度が過去最高を更新したことを明らか
にした。
 ただ、分析結果を知らせる報道関係者への一斉メールでは「最近の変動から見
るとやや高めの傾向」と評価を矮小(わいしょう)化するような表現で発表して
いた。

 東電によると、「1号機取水口」のセシウム137の濃度は1リットル当たり
95ベクレルで、それまでの最高値だった2015(平成27)年9月の同82
ベクレルを13ベクレル上回った。


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◆田中優宅 オフグリッドレポート 2016.9.24 ◆

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田中優より

「この一週間、台風が秋雨前線を刺激して雨ばかりでした。
おかげでついに電気不足に。

発電機を回して何とかしのいだが、一転して今日は晴れ。

発電頑張ってくれて朝の電気14%から98%まで急上昇。
(写真下の「電池残量変化」の矢印のように、急上昇です!)
写真はこちら→ https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/14440741_1165728263483825_691801173771988431_n.jpg?oh=776cd73183a21c2458b9d8b8ed4d1f9e&oe=5865003D

ブボボボうるさい発電機の倍の勢いで発電してくれる。
こういうのもオフグリッドの醍醐味だなぁ。」



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東電の炉心溶融否定「うそに衝撃」 とり

2016/10/03 (Mon) 02:31:25

泉田新潟知事
. 東電の炉心溶融否定「うそに衝撃」



毎日新聞2016年9月27日 10時13分(最終更新 9月27日 10時13分)


東電側が説明の際に書いたという絵を再現する泉田知事=新潟市中央区の県庁で米江貴史撮影



福島事故対応説明、「原発立地県の首長に」

 新潟県の泉田裕彦知事は9月下旬、毎日新聞のインタビューに応じ、東京電力福島第1原発事故発生から1週間後の2011年3月18日に東電側から受けた状況説明について、「東電はメルトダウン(炉心溶融)を否定した」と改めて強調し、「(原発)立地県の知事にウソをつくのか」と衝撃を受けたことを明らかにした。【高木昭午】



<「原発運転する資格ない」東電社長に不信> .


<泉田知事>福島原発を視察「現場の負担を体感」 .


<原発を拒否したまち>疲れた町民、関心は低く .


<柏崎刈羽原発>再稼働で県内小売りも .

 東電によると、知事への説明は、当時の新井史朗・柏崎刈羽原発副所長や松本純一・同原発品質・安全部長ら3人が行った。東電は「『メルトダウンしていない』と説明した記憶はない」などと記載した資料を先月末、炉心溶融隠蔽(いんぺい)問題に関する県と東電の合同検証委員会に提出。ただ、資料の記述は松本氏の記憶のみで、新井氏らには事情を聴いていないという。また県も東電も当時のやり取りの記録はないとしている。毎日新聞は東電に松本氏らへの取材を申し込んだが、26日までに回答はなかった。

 泉田知事は「『一番大事なことは教えない』では原発事故の際に避難ができない。(東電の)組織としての対応を検証してほしい」と訴えた。

 泉田知事との主な質疑応答は次の通り。

 −−11年3月18日に、東電が説明に来た際のやり取りは。

 ◆当時は、県民も避難が必要になるかもしれないと危機感を持っていた。ロシアや中国、韓国からは避難者受け入れのオファーが来ていた。だから事故が少し落ち着いた18日に、現状と今後の進展の説明を求めた。

 最大の関心事は、メルトダウンしているかどうかだった。放射性物質が大量に漏れ、県民も避難しないといけない事態に至るのか。そこで「(原子炉に)注水してないんだから、メルトダウンしてるでしょ」と聞くと、「いや、していない」という答えだった。

 「ジルコニウムは確かに溶けるかもしれませんが、燃料棒の中にはペレットというものがありまして、周りは溶けてもペレットが残るんです」=ジルコニウムは金属の一種で、核燃料が入った細長い管の材料。ペレットは、ウランを焼き固めた核燃料本体。実際はペレットも溶けていた=と言われ、さらにこういう(丸いペレットが並ぶ様子を示す)絵を描いて「メルトダウンはしていません」という説明があった。「何時間も注水に失敗したら核燃料は溶けているに決まっている」というのは後で知った。

 −−絵を描いた後のやり取りは?

 ◆この説明で押し切られた。

 −−「ペレットは無事だ」と言う根拠のデータは示されたのか。

 ◆なかった。結局、すぐの避難は不要と判断し様子を見た。衝撃的に覚えているのは、あれだけ直接的に(メルトダウンしていないと)聞いたのに、東電が約2カ月後にメルトダウンを発表したことだ。「立地県の知事にウソつくんだ」と。

 −−東電は「『メルトダウンしていない』と説明した記憶はない」との主張だが。

 ◆本当のことを言えない会社だ。「事故情報の収集に失敗しメルトダウンを告げられなかった」と言うが、そんなわけはない。5時間も6時間も注水に失敗し「メルトダウンに気が付きませんでした」と言って「ああそうですか」とはならない。

 −−「メルトダウンしていない」と説明したのは誰か。

 ◆東電から3人が説明に来たが、個人名は覚えていない。

 −−任期満了(10月24日)が間近だが、この問題の今後は。

 ◆合同検証委員会などで(東電側が)真実を話せる体制を作るべきだ。当時の社長から「メルトダウンという言葉を使うな」と指示が届いていたのではないか。「一番大事なところは教えない」では(事故時に県民の)避難ができない。
http://mainichi.jp/articles/20160927/k00/00e/040/147000c

原発問題「新潟県として多様な意見」 米山氏の一問一答 とり

2016/10/19 (Wed) 11:53:12

原発問題「新潟県として多様な意見」 米山氏の一問一答
構成・松浦祐子、田中恭太
2016年10月18日02時00分

写真・図版
インタビューに応じる米山隆一氏=17日午後、新潟市中央区、狩野浩平撮影


 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢を示して、16日の新潟県知事選で初当選した米山隆一氏(49)=共産、社民、自由推薦=が17日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。主な一問一答は次の通り。

再稼働の民意「非常に慎重」 新潟知事当選の米山氏

 ――一夜明け、改めて今のお気持ちはいかがですか

 ありがたかったり、うれしかったりするが、非常に多くの方々に対する責任を負っているとの思いが非常に大きく、身の引き締まる思いです。

 ――約6万3千票差で勝利しました。勝因は

 みなさんの思いをうまく受け止められたということだと思う。一つは原発だが、(有権者が)暮らしや命に対する配慮を求めているということ。対立候補はどちらかというと公共事業中心、私は医療、教育、福祉が中心の公約だった。そのスタンスがわかれたと思う。

 非常に女性の反応が良かった。原発問題は関心のあるテーマだが、「子どもの未来」という文脈の中にあり、暮らしにフォーカスしてほしいという思いが強かったのだと思う。

 ――新潟県議会の最大会派は自民党。どのように向き合っていきますか

 (かつて自民公認で衆院選に立候補したことがあるため)自民党の議員の方も公明党の議員の方も、ほぼ全員、個人的に話したことがある。濃淡はあるが、個人的にはお話しできる関係だと思う。足らざる部分に関してご指摘頂ければ真摯(しんし)に受け止めて、もっともだという点については修正をどんどん加えさせて頂く。自然に協力が頂けるんじゃないかなと楽観しているという状態ですね。

 ――行政経験がない点を不安視する声もあります

 当然だと思う。実績で示すしかないと思うので、全力で示したい。同時に、多少なりとも組織運営や研究プロジェクトにも携わってきた。自分では不安と思っていません。

 ――予算編成が迫ってくる時期です

 今回の予算編成は安全運転を心がけさせて頂き、可能な変更をする方向になると思う。

 ――政策に関してブレーンなどをつける考えは

 県庁内で既に実績がある方々がいる。まずはご意見を最大限に尊重したい。

 ――泉田裕彦知事とはどんな関係を続けたいですか

 原子力に限らず、防災で素晴らしい仕事をされてきた。知見も高い。当然、色々なご助言を頂きたい。

 ――改めて原発問題には、新知事としてどう取り組みますか

 福島事故の原因の検証と、事故が健康・生活に及ぼした影響の検証と、安全な避難方法の検証。それが終わらない限りは、再稼働の議論は始められないという約束を守らせて頂きたい。

 ――福島事故の検証を新潟県として独自に続けてきた有識者の県技術委員会は、追及をきっかけに炉心溶融の隠蔽(いんぺい)問題が明るみに出るなど、実績があります。今後のあり方についてお考えは

 きちんと継続し、かつ拡充していくことになる。避難計画の技術的な検証などもあるでしょうから、より態勢を拡充して継続していきたい。

 ――選挙で訴えていた「事故の健康・生活への影響」「安全な避難計画」の検証も行う機関にもしていきたいということですか

 はい。していくのがいいんだと思います。

 ――実質的に再稼働へのハードルが上がりました。立地自治体の刈羽村で雇用問題対策について訴えていましたが、お考えは

 当然、立地自治体では雇用を新たに生まなければいけない。即座に第二、第三の(柏崎市に本社がある大手製菓会社の)ブルボンができるかといわれると難しい。例えば、病院や介護施設などの福祉施設を、合理的な範囲で重点的に配置していくのは一つの選択肢だと思う。

 ――当選を受け、世耕弘成経済産業相が「考えを伺いたい」と発言しました。経産相や東電社長と会うつもりはありますか

 当然、立場の違いは違いとして相互に認め合った上での話し合いを、ぜひさせて頂きたい。現時点で違いがあるのは、国の側でもご理解頂いていると思うが、相互の立場を尊重してテーブルにつくことは常にできると思う。

 ――原発から30キロ圏内では、立地自治体以外の市町村に再稼働への「同意権」がありません。再稼働には立地自治体以外の、30キロ圏内の自治体の同意が必要だと思いますか

 新潟県として多様な意見がある。どの意見にするのか決めていく方法を、県民の皆さんや30キロ圏内外の自治体と意見交換し、県民全体として納得のいく意思決定というのを模索させて頂きたい。

 少なくとも知事選で示された現在の民意は(再稼働に)非常に慎重。これを大前提にどの選択肢も頭から否定せず、意見集約していきたい。

 ――県民へのメッセージは

 これから実績で示していけるように頑張っていきたいと思います。(構成・松浦祐子、田中恭太)
http://digital.asahi.com/articles/ASJBK73FCJBKUOHB02J.html?rm=654

米国で20年ぶり新規原発稼働 国内計100基に とり

2016/10/23 (Sun) 12:37:36

米国で20年ぶり新規原発稼働 国内計100基に
ワシントン=小林哲
2016年10月20日17時52分


 米テネシー川流域開発公社(TVA)は19日、テネシー州のワッツバー原発2号機(加圧水型、115万キロワット)が商業運転を始めた、と発表した。米原子力規制委員会によると、米国内での新規原発の稼働は1996年の同原発1号機以来。稼働中の原発は100基になった。

 TVA幹部は声明で、原子力は二酸化炭素を出さず、24時間利用できる唯一の電源だとして、「クリーンエネルギーの未来に欠かせない投資だ」などと述べた。建設費は約47億ドル(4860億円)という。

 ワッツバー原発は73年に建設許可が下りた。米メディアによると、79年のスリーマイル原発事故などの影響で建設が大幅に遅れ、96年に1号機が運転を開始。2号機は、2011年の福島第一原発事故を受けて、約2億ドルを投じて過酷事故への備えを強化するなどしたという。(ワシントン=小林哲)
http://www.asahi.com/articles/ASJBN2T3JJBNUHBI00V.html

原発「3度目の住民投票」 新潟知事選 何が起きた とり

2016/10/26 (Wed) 12:20:07

【政治】
原発「3度目の住民投票」 新潟知事選 何が起きた
2016年10月23日 朝刊


住宅街からみえる東京電力柏崎刈羽原発の施設=新潟県柏崎市で


 新潟県に二十五日、東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)の再稼働に反対する知事が誕生する。先の知事選で、共産、自由、社民三党の推薦を受けた米山隆一氏(49)が、自民、公明両党推薦の候補に約六万票差をつけて初当選した。新潟の有権者はなぜ、再稼働反対派を選んだのか。 (山口哲人)

■自分の問題


 「知事選は再稼働の是非を問う『住民投票』の性格を帯び、県民が意思表明できる機会となった」。刈羽村の市民団体「原発反対刈羽村を守る会」メンバー武本和幸さん(66)はこう振り返った。


 新潟県では過去二回、原発を巡る住民投票が行われた。一九九六年には東北電力が巻町(現・新潟市西蒲区の一部)に計画していた巻原発の建設、二〇〇一年には柏崎刈羽原発へのプルサーマル導入の是非が問われた。いずれも反対派が勝利し、東北電と東電は計画の撤回に追い込まれた。


 今回の知事選は、原発をめぐる「三度目の住民投票」という意味合いがあった。過去二回は原発が立地する町村だけが対象だったが、今回は県内すべての自治体の住民が対象。反対が上回った背景には東電福島第一原発事故があると、武本さんは指摘する。


 コメどころの南魚沼市では、事故後の一時期、放射線量が急上昇した。福島県から避難してきた約三千人は、今も新潟県内で暮らす。「原発は自分の問題だと感じる人が増え、知事選の結果を左右した」

■脱原発鮮明


 党内に再稼働を容認する議員を抱える民進党が自主投票となり、皮肉にも米山氏は脱原発を鮮明にすることができた。「市民連合@新潟」の共同代表を務める佐々木寛・新潟国際情報大教授(政治学)は「米山陣営は遠慮なく再稼働反対を主張でき、無党派層に浸透できた」と分析する。


 佐々木氏はこうも指摘する。「県民は原発を危険というだけでなく、中央の押し付けと感じた」


 新潟県内に電力を供給するのは東北電力だ。柏崎刈羽原発は一二年以降、運転を停止しているが、もし再稼働しても、電力は首都圏向けに提供される。東電が政府と二人三脚で再稼働を急ぐ姿は、中央の押し付けに映ったとみる。

■戦略のミス


 自公が推薦した前長岡市長の森民夫氏(67)の陣営は、中央との関係を前面に打ち出した。投票前日に、地元紙に出した選挙広告で「国から見放されない新潟県を!! 国との太いパイプをもつ新潟県を!!」と強調。森氏は街頭演説で「国とパイプがあるから(再稼働を巡っても)厳しいことも言える」と訴えた。


 自民党の伊吹文明元衆院議長は投開票後の派閥会合で、知事選応援で新潟入りした際に、県民から言われた話を紹介した。


 「東京から来る偉い人(応援弁士)は中央とのパイプを話し、俺たちに入れないと損だという利益誘導みたいな印象を与え、非常に不愉快だと言われた。一般の人の九十九パーセントはこういう感覚なんだと気付いた」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201610/CK2016102302000113.html

止めたくても止められない、英国の中国製原発の悲劇 とり URL

2016/10/26 (Wed) 16:07:34

止めたくても止められない、英国の中国製原発の悲劇
Wedge 10月25日(火)12時10分配信


 英国のメイ首相は、新たな条件付きでヒンクリーポイントの原子力発電所のプロジェクトを承認しましたが、エコノミスト誌9月15日号は、プロジェクトの経済性と合理性に疑義を表明し、同首相はこのプロジェクトを否認すべきであった、との趣旨の解説記事を掲載しています。要旨、次の通り。
.

政治的考慮の勝利

 就任後の最初の2カ月、メイ首相はキャメロン首相の政策と決別することを常としてきた。従って、7月にヒンクリーポイントの原子力発電所プロジェクトの承認プロセスに待ったをかけた時、またもやUターンかと思われた。しかし、9月15日、新たな条件付きであるが、プロジェクトに青信号を出した。これは経済的考慮に対する政治的考慮の勝利である。

 メイの主たる懸念は巨大でリスクの大きいプロジェクトへの外国、特に中国の関与にあったと思われる。フランスのEDFが建設するが、中国がコストの3分の1に当たる60億ポンドを投資する。安全保障に関する恐怖を鎮めるために、英国政府は将来のすべての原子力プロジェクトにおいて「黄金株」を取得すること、外国の所有の意味合いを十分吟味するため「枢要なインフラの所有と支配」に対するアプローチを変更することを表明した。また、EDFは英国政府の同意を得ることなくこのプロジェクトの完成前に撤退することは出来ないとの合意をEDFから取り付けた。

 プロジェクトの進行を認めることで、メイはEU離脱についてその協力が必要なフランス、および将来の投資の大きな源泉である中国との関係を毒することを避けた。政府の発表はブラッドウェルで中国の設計による原子炉を建設するという中国の希望、あるいはサイズウェルの原子力発電計画への中国の参加の可能性には触れていないが、中国広核集団(China General Nuclear Power、ヒンクリーポイントに投資する国営企業)は「これでヒンクリーポイント、サイズウェル、ブラッドウェルにおいて原子力発電能力の提供に前進することが出来る」と述べている。

 このプロジェクトのコストの60%は英国に落ちるので製造業界はハッピー、そのピーク時には建設関係の雇用に加えて5000人の雇用を生むので労働組合もハッピーであろう、とされる。

 しかし、以上のようなことはすべて的外れである。安全保障の問題はどうであれ、政府は劣悪な取り引きに陥った。電力の買い取り価格は現行の価格の2倍以上のメガワット当り92.50ポンドが35年間にわたり保証されている。風力や太陽光のような再生可能エネルギーのコストが下がり、また蓄電技術のような新しい技術が進化するに伴い、ヒンクリーポイントの電力コストはさらに高値に見えることとなろう。また、EDFが手がけるフランスとフィンランドの同様のプロジェクトで何年もの工事の遅延が発生していることに見られるように、このプロジェクトの欧州加圧水型炉の技術は確立されていない。

 ヒンクリーポイントの進行を認めることでメイは短期的な政治問題を解決したが、長期的な経済合理性の問題を作り出した。

出典:‘Hinkley Point gets the green light’(Economist, September 15, 2016)

 英国では現在16基の原子力発電所が稼働していますが、老朽化に伴い、順次その更新を図る計画が進行中です。ヒンクリーポイントのプロジェクトはその起点となる総額180億ポンドの巨大プロジェクトです。EDFが欧州加圧水型炉を2基建設しますが、EDFと中国広核集団がそれぞれ3分の2、3分の1を出資します。中国はこのプロジェクトを跳躍台として、ブラッドウェルとサイズウェルでも原子力発電所の建設に参画することを目論んでいますが、特にブラッドウェルでは3分の2を出資して(3分の1はEDF)中国主導で中国の設計による原子炉「華龍一号」を建設することが予定されています。実現すれば、先進国における最初の中国の原子炉となります。

 メイ首相が英中「黄金時代」の目玉であるヒンクリーポイントのプロジェクトに一旦待ったをかけたのは、この記事がいうように、安全保障上の懸念であったと思われ、承認するに当たって次の措置を講じました。即ち、英国政府の同意がなければプロジェクトの完成前に3分の2の保有株式を売却して撤退することは出来ないことにEDFの合意を取り付けました。プロジェクトが立ち枯れとなることを防ぐとともに、プロジェクト全体が中国の手に落ちる可能性を塞ぐ意図かと思われます。もう一つ、今後の枢要なインフラに対する外国の投資については、新たな法的枠組みを設けて安全保障の観点から審査を厳格化すること、その一環として、今後の原子力プロジェクトについては政府が「黄金株」を取得すること(これによって政府の同意なくして重要な株の売買は行われないこととなる)を表明しました。一方で、批判が根強いプロジェクトの商業条件には手をつけていません。



他山の石にすべし

 この記事は、高額の建設費および高値の電力買い取り価格の保証という劣悪な商業条件、技術の信頼性に関する不安、そして再生可能エネルギーが進化しつつある状況でのプロジェクトの合理性に強い疑念を表明しています。エコノミスト誌の立場は、この理由のゆえに、メイはこのプロジェクトを否認すべきであったというものです。

 他方で、エコノミスト誌は中国に関する安全保障上の懸念にあまり重きを置いていないようですが、メイが示した慎重姿勢は健全なものと思われます。原子力発電所のような枢要なインフラについて中国に重要な関与を認めることには大きな不安があって然るべきです。情報機関は中国の関与を認めることは安全保障に対する脅威だと警告していたとの報道があります。中国が建設する発電所となれば、中国によるサイバー攻撃の標的になり得るよう細工することは容易と思われます。恐らく、今後策定される新たな法的枠組みは中国が主導するブラッドウェルのプロジェクトを念頭に置いたものでしょう。この法的枠組みが障害となり、このプロジェクトが中国の思惑通りに進まないといった事態になれば、ヒンクリーポイントのプロジェクトに対する中国の態度にも影響するかも知れません。

 安全保障上の問題にしろ、プロジェクトの経済性の問題にしろ、背景には英国が原子力発電所建設の能力を喪失し、フランスや中国、あるいは日本(日立、東芝)に頼らざるを得ないという弱みがあるやに思われ、エネルギーに乏しい我が国としては、他山の石とすべきことのように思われます。

柏崎刈羽原発の審査合格は来年度以降か とり URL

2016/10/27 (Thu) 22:49:44

柏崎刈羽原発の審査合格は来年度以降か
10月27日 18時20分

東京電力が再稼働を目指す新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所6号機と7号機の審査で、東京電力は焦点となっている緊急時の対応拠点の説明資料を年内に提出する方針を示しました。審査はその後も残るため、合格にあたる審査書の取りまとめは来年度以降になる見通しです。

柏崎刈羽原発6号機と7号機の再稼働の前提となる審査で、東京電力は、今月、南に1キロほど離れた3号機に設置する方針だった緊急時の対応拠点「緊急時対策所」について、海側にある防潮堤の地盤の一部が最大規模の地震の際、液状化するおそれがあり、対策に1年以上かかる可能性があることから方針を変え、6号機と7号機と同じ敷地にある5号機の中に設置する方針を示しました。

これによって、緊急時対策所の被ばく対策など一部の審査をやり直すことになり、27日の原子力規制委員会の審査会合で、東京電力は緊急時対策所の設置やそれに伴う安全対策の変更について、説明資料を年内に提出するという新たなスケジュールを示しました。その後、提出された資料の検討が行われるほか、津波に対する設備の設計方針や技術者の確保について審査が残ることから、合格にあたる審査書の取りまとめは来年度以降になる見通しです。

25日には東京電力の改革などを話し合う経済産業省の有識者会議で、柏崎刈羽原発など原子力事業の分社化を検討する案が示され、原子力事業が分社化された場合、重大事故に備えた体制などの見直しが必要になり、審査はさらに遅れる可能性があります。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161027/k10010746701000.html

受賞スピーチ全文】村上春樹さん「影と生きる」アンデルセン文学賞 とり URL

2016/11/02 (Wed) 13:14:23

【受賞スピーチ全文】村上春樹さん「影と生きる」アンデルセン文学賞

「影を排除してしまえば、薄っぺらな幻想しか残りません。影をつくらない光は本物の光ではありません」
posted on 2016/10/31 21:06


Saki Mizoroki
溝呂木佐季 BuzzFeed News Reporter, Japan
Scanpix Denmark/Henning Bagger/via REUTERS


デンマークの童話作家アンデルセンにちなむ「ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞」の授賞式が10月30日、生誕地オーデンセであった。受賞した村上春樹さん(67)は英語スピーチで、アンデルセンの小説「影」を取り上げ、自らの執筆の姿勢と重ねて、影から逃げずに生きる重要性を説いた。

BuzzFeed Newsは村上さんの英語スピーチ全文を委員会から受け取った。日本語訳は次の通り。



オーデンセ市長(右)らとレセプションに到着した村上春樹さん(中央)=10月30日、デンマークのオーデンセ市役所 Scanpix Denmark/Henning Bagger/via REUTERS



最近になって初めてハンス・クリスチャン・アンデルセンの短編小説「影」を読みました。僕がきっと気にいるだろうと、デンマーク語の翻訳者メッテ・ホルムが薦めてくれたのです。読んでみるまで、アンデルセンがこのような小説を書いていたとは思ってもみませんでした。


「影」の日本語訳を読んでみて、強烈で恐ろしい筋の話だと思いました。日本で多くの人たちにとって、アンデルセンは子ども向けおとぎ話の作者として知られていて、彼がこのように暗く、希望のないファンタジーを書いていたと知って、驚きました。

そして自然と疑問に思ったんです。すなわち「なぜ、このような小説を書かなければならないと感じたのだろうか」と。

小説の主人公は、北国の故国を離れて、南国の外国を旅する若い学者です。思ってもみないあることが起きて、彼は影をなくします。もちろん、どうしたらいいのかと困惑しましたが、なんとか新しい影を育て、故国に無事帰りました。

ところが、その後、彼が失った影が彼の元に帰ってきます。その間、彼の古い影は、知恵と力を得て、独立し、いまや経済的にも社会的にも元の主人よりもはるかに卓越した存在になっていました。

言い換えれば、影とその元の主人は立場を交換したのです。影はいまや主人となり、主人は影になりました。

影は別の国の美しい王女を愛し、その国の王となります。そして、彼が影だった過去を知る元の主人は殺されました。影は生き延びて、偉大な功績を残す一方で、人間であった彼の元の主人は悲しくも消されたのです。

アンデルセンがこの小説を書いたとき、どんな読者を想定していたのかわかりません。しかし、読み取れるのは、僕が思うに、おとぎ話の書き手であるアンデルセンが、ずっと取り組んできた枠組みを捨てて、すなわちそれは子ども向けの物語を書くことでしたが、その代わりに大人向けの寓話の形式を使って、自由な個人として、大胆に心の内を吐露しようとしたことです。



博物館になっているアンデルセンの家の前に立つ村上春樹さん=10月30日、デンマークのオーデンセ市 Scanpix Denmark/Henning Bagger/via REUTERS



ここで僕自身について話したいと思います。

僕が小説を書くとき、筋を練ることはしません。いつも書くときの出発点は、思い浮かぶ、ひとつのシーンやアイデアです。そして書きながら、そのシーンやアイデアを、それ自身が持つ和音でもって展開させるのです。

言い換えると、僕の頭を使うのではなく、書くプロセスにおいて手を動かすことによって、僕は考える。こうすることで、僕の意識にあることよりも、僕の無意識にあることを重んじます。

だから僕が小説を書くとき、僕に話の次の展開はわかりません。どのように終わるのかもわかりません。書きながら、次の展開を目撃するのです。

なので、僕にとって小説を書くことは発見の旅なのです。子どもが次に何が起きるのだろうとワクワクしながら一生懸命に話を聞くように、僕は書いているときに、全く同じワクワク感を持ちます。

「影」を読んだとき、アンデルセンも何かを「発見」するために書いたのではないかという第一印象を持ちました。また、彼が最初、この話がどのように終わるかアイデアを持っていたとは思いません。

あなたの影があなたを離れていくというイメージを持っていて、この話を書く出発点として使い、そしてどう展開するかわからないまま書いたような気がします。




村上春樹さん(左)と賞を授与したデンマークのメアリー皇太子妃=10月30日、デンマーク・オーデンセ市役所 Scanpix Denmark/Henning Bagger/via REUTERS



今日、ほとんどの批評家ととても多くの読者は、分析するように話を読みます。これが正しい読み方だと、学校で、または、社会によって、訓練されます。学術的視点、社会学的視点や精神分析的視点から、人々はテクストを分析し、批評します。

と言うのも、もし小説家がストーリーを分析的に構築しようとすると、ストーリーに本来備わっている生命力が失われてしまうでしょう。書き手と読み手の間の共感は起きません。

批評家が絶賛する小説家でも、読み手は特に好きではないということもよくあります。多くの場合、批評家が分析的に優れていると評価する作品は、読み手の自然な共感を得ることができないからです。


アンデルセンの「影」には、このような生ぬるい分析を退ける自己発見の旅のあとが見て取れます。これはアンデルセンにとってたやすい旅ではなかったはずです。彼自身の影、見るのを避けたい彼自身の隠れた一面を発見し、見つめることになったからです。

でも、実直で誠実な書き手としてアンデルセンは、カオスのど真ん中で影と直接に対決し、ひるむことなく少しずつ前に進みました。

僕自身は小説を書くとき、物語の暗いトンネルを通りながら、まったく思いもしない僕自身の幻と出会います。それは僕自身の影に違いない。

そこで僕に必要とされるのは、この影をできるだけ正確に、正直に描くことです。影から逃げることなく。論理的に分析することなく。そうではなくて、僕自身の一部としてそれを受け入れる。

でも、それは影の力に屈することではない。人としてのアイデンティティを失うことなく、影を受け入れ、自分の一部の何かのように、内部に取り込まなければならない。

読み手とともに、この過程を経験する。そしてこの感覚を彼らと共有する。これが小説家にとって決定的に重要な役割です。




アンデルセンが生きた19世紀、そして僕たちの自身の21世紀、必要なときに、僕たちは自身の影と対峙し、対決し、ときには協力すらしなければならない。


それには正しい種類の知恵と勇気が必要です。もちろん、たやすいことではありません。ときには危険もある。しかし、避けていたのでは、人々は真に成長し、成熟することはできない。最悪の場合、小説「影」の学者のように自身の影に破壊されて終わるでしょう。

自らの影に対峙しなくてはならないのは、個々人だけではありません。社会や国にも必要な行為です。ちょうど、すべての人に影があるように、どんな社会や国にも影があります。

明るく輝く面があれば、例外なく、拮抗する暗い面があるでしょう。ポジティブなことがあれば、反対側にネガティブなことが必ずあるでしょう。

ときには、影、こうしたネガティブな部分から目をそむけがちです。あるいは、こうした面を無理やり取り除こうとしがちです。というのも、人は自らの暗い側面、ネガティブな性質を見つめることをできるだけ避けたいからです。

影を排除してしまえば、薄っぺらな幻想しか残りません。影をつくらない光は本物の光ではありません。

侵入者たちを締め出そうとどんなに高い壁を作ろうとも、よそ者たちをどんなに厳しく排除しようとも、自らに合うように歴史をどんなに書き換えようとも、僕たち自身を傷つけ、苦しませるだけです。

自らの影とともに生きることを辛抱強く学ばねばなりません。そして内に宿る暗闇を注意深く観察しなければなりません。ときには、暗いトンネルで、自らの暗い面と対決しなければならない。

そうしなければ、やがて、影はとても強大になり、ある夜、戻ってきて、あなたの家の扉をノックするでしょう。「帰ってきたよ」とささやくでしょう。

傑出した小説は多くのことを教えてくれます。時代や文化を超える教訓です。



バズフィード・ジャパン ニュース記者

お問い合わせ Saki Mizoroki at saki.mizoroki@buzzfeed.com.

https://www.buzzfeed.com/sakimizoroki/murakami-andersen?utm_term=.pgMpo4ObP#.edJXgxEWr

廃炉に外国人. 「我々がやるしかない」 被ばくに不安の声 とり

2016/11/13 (Sun) 04:49:01

廃炉に外国人
. 「我々がやるしかない」 被ばくに不安の声

毎日新聞2016年11月7日 08時00分(最終更新 11月7日 09時14分)


福島第1原発で汚染水貯蔵タンク建設を請け負った外国人作業員ら。作業服の下に防護服を着込む=2014年5月ごろ撮影(関係者提供、画像の一部を処理しています)



 東京電力が廃炉を進める福島第1原発の過酷な最前線で、外国人が働いていた。「日本人がやらないなら、外国人がやるしかないと思った」。汚染水貯蔵タンクの建設に従事した日系ブラジル人の男性は言った。彼らは、必要な人数がそろわない日本人の穴を埋めていた。【関谷俊介】


<外国人はどんな雇用に? 汚染水貯蔵タンク建設の契約形態> .


<東電、福島原発賠償・除染の負担8兆円増を国費要請> .


<自主廃炉のツケは新電力利用者に回る> .

<「新電力に転嫁」は筋違いだ> .


「廃炉」の深層 「もんじゅ」は<カネ食い虫の役立たず> .

<まんがで解説>汚染水とは? .

 「福島第1原発について私は皆さんに約束する。状況はコントロールされている」。安倍晋三首相は五輪招致に向けて2013年9月、国際オリンピック委員会の総会で力説した。第1原発ではその前月、鋼材をボルトでつなぐフランジ型のタンクから汚染水約300トンが漏れ出た。

 現場は増え続ける汚染水と格闘していた。政府は溶接型タンクの増設を指示し、東電は大手ゼネコンに発注。2次下請けに入った東京の溶接会社は13年11月ごろ、半年で約50基建設という日程的に厳しい作業に着手した。

 溶接会社の社長は取材に「当初は原発で働く予定だった日本人従業員も、直前に家族の反対で断念した。(ぎりぎりの要員で)毎日が戦争状態だった」と証言。「日本人溶接工三十数人を集めたが、技量不足で半数を入れ替えた」と話す。

 「外国人がやるしかない」と語った津市在住の溶接工、石川剛ホーニーさん(43)はブラジル生まれの日系2世で日本に移って日本国籍を取得。外国人作業員たちのまとめ役を務めた。彼らも日系2、3世やその配偶者で就労制限はなかった。

 石川さんは14年1月に初めて第1原発に入り、目を疑った。汚染水の円柱タンク(高さ、直径とも約10メートル)は、分割された約20個の部材を溶接でつなぎ合わせて作る。だが、現場に集められた日本人作業員の多くは高齢で溶接の技量が低く、作業は進まなかった。

 最初のころはタンクの残り容量に余裕がなく、突貫工事を強いられた。トイレに行く時間も惜しく、現場で用を足した。外国人作業員をタンク上部の足場に残したまま、下部で溶接の火花から引火したとみられるボヤ騒ぎも起きたという。

 日当は通常の約1.5倍。「一緒に働く外国人から、被ばくしたら補償はあるのかと不安の声も上がった。こちらは『この日当は他では出ない』と報酬の話をするしかなかった」と振り返った。

 外国人作業員のうち40代の日系ブラジル人男性が取材に応じた。石川さんから作業を請け負った後も有期で別の会社に雇われ、日本人が次々去る現場で約1年間タンク建設に携わった。「(廃炉作業に)日系人が入ったのは私たちが初めてだと思う。その後は他のグループが溶接以外の現場にも入るようになった」と話す。

 事前に放射線防護教育も受けた。内容は核燃料物質の知識や放射線の身体への影響、関係法令など。労働安全衛生法の規則に基づき原子力施設で働く作業員に雇用主が行うが、第1原発では東電が元請け企業などを支援する立場でテキストを作り、実施する。男性は「日本人と同じ講義で通訳もなく、漢字の形を暗記した」と話す。

 外国人作業員のうち何人かは、別の元請けの下でも外国人グループを組んで働いた。そこに加わった別の40代日系ブラジル人男性はこう説明した。「グループは10人くらいで、約25基を作った。作業中の会話はポルトガル語で、構内放送があると日本語ができる作業員が苦手な作業員に意味を教えていた」

福島第1原発の汚染水

 山側から大量の地下水が原子炉建屋に流れ込み、溶けた核燃料に触れるなどして放射性汚染水が発生している。東京電力は昨年9月から建屋への流入前に地下水をくみ上げて海に放出し、流入量は1日約400トンから一時は約150トンに減った。だが、降雨の影響で再び増え、現在1日300~400トンで推移する。貯蔵タンクはフランジ型から溶接型に順次建て替え、計約1000基(容量約100万トン)に上る。


http://mainichi.jp/articles/20161107/k00/00m/040/140000c

「話が違うじゃないか」 トランプ大統領と米国(ルポ迫真) とり

2016/11/20 (Sun) 02:35:15

「話が違うじゃないか」 トランプ大統領と米国(ルポ迫真)
2016/11/19 9:14日本経済新聞 電子版



 「大変あたたかい雰囲気で会談できた」。首相の安倍晋三(62)は17日夕(日本時間18日朝)、ドナルド・トランプ(70)と笑顔で写真におさまった。



トランプ氏との電話会談に臨むため、首相官邸に入る安倍首相=10日午前

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トランプ氏との電話会談に臨むため、首相官邸に入る安倍首相=10日午前

 もともと安倍は19日からペルーで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の前に米ニューヨークに立ち寄り、米次期大統領との会談を狙っていた。唯一かつ大きな誤算は、その相手をヒラリー・クリントン(69)とみていたことだ。

 なぜか。「クリントン勝利の流れは変わりません」。外務省はこう報告し続けていた。9日夕の首相官邸。安倍はトランプ勝利を報告しに来た外務省幹部に「話が違うじゃないか。とにかく早く電話で話したい」といら立った。その場に外務次官の杉山晋輔(63)はいなかった。

 9月の安倍の訪米時。外務省はクリントンとの会談だけを設定。安倍は「トランプ側にも仁義を切った方が良いんじゃないか」と漏らす。そこで外務省はトランプの経済顧問、ウィルバー・ロス(78)との面会も決めたが、クリントンの反応を気にして会談は秘密にした。

 「クリントンが勝つと決めつけない方が良い。保険を掛けよう」。こう主張していたのは駐米大使の佐々江賢一郎(65)だ。公使の岡野正敬(52)らにトランプ人脈開拓を指示していた。投開票日の数日前には、トランプに近い関係者に外務省側から「勝利した時には安倍首相から電話したい」と打診。政府高官によると、トランプ側は「祝いたいと電話してきた国は初めてだ」と喜んだという。

 安倍が9日夕に「電話協議」を指示したことを受け、外務省は佐々江らの面会記録などをもとにトランプ人脈に片っ端から当たり、どうにか10日朝の安倍・トランプの電話にこぎつけた。首相周辺は「投開票数日前の打診が効いた」とも話す。

 「予想していたわけでは必ずしもない」。9日午後、財務官の浅川雅嗣(58)はトランプ優勢の報に漏らした。浅川もクリントン政権なら財務長官候補とされる人物と親交があった。だがトランプ側とのパイプはほぼゼロ。16日にニューヨーク入りし、人脈づくりを始めている。

 「大統領がトランプさんなら、それはそれでいいじゃないか。やれることを考えよう」。11日夜。安倍は与党幹部を前に、自分自身に言い聞かせるような口調で語った。(敬称略)

 吉野直也、古川英治、大塚節雄、川合智之、島田学、永井央紀、兼松雄一郎、山下晃が担当しました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09735770Z11C16A1EA1000/

藻谷浩介・評 『次の時代を、先に生きる。』=高坂勝・著 とり

2016/11/21 (Mon) 20:37:33

今週の本棚
. 藻谷浩介・評 『次の時代を、先に生きる。』=高坂勝・著
毎日新聞2016年11月20日 東京朝刊


 (ワニブックス・1404円)


洗脳解除し、生活のステップアップに

 米国の大手経済紙が、大統領選の数日前に、身も蓋(ふた)もない社説を掲載していたらしい。「仮にトランプが当選するとしても、それで経済が成長し株価が上がるのであれば、善(よ)しとしようじゃあないか」と。「自分が儲(もう)かるのなら、大統領の品格だの世界秩序の混乱だのは後回しでいい」という、金の亡者の発言である。

 これに対し日本では、「(自分の儲けのためではなく)日本の繁栄のために経済成長は不可欠」と、素朴に信じている人が多いようだ。この神や仏よりも「経済成長」を心頼みにする心性こそ、国内で一番感染力の強い新興宗教といえるかもしれない。

 「大事なのは経済成長(=昨年度対比でのフロー)ではなくて経済力(=ストック)なのではないですか」と彼らに問えば、「成長をあきらめたらすぐに経済力自体も損なわれていきますよ」と、根拠ゼロの確信に立って怒られるのがオチだ。実際には過去20年間、日本は経済成長なきままに巨大な経済力を横ばいで維持し続けているのだが。中国に抜かれたのも、向こうが伸びただけで当方が落ちたのではない。

 その「経済力」にしても、金銭換算できる価値を足しただけのものだ。人が生きていくには、特に収入の減った老後には、お金に換算できない価値こそ大事である。水・食物・エネルギーの自給力だとか、助け合える人間関係だとか、家賃のかからない住居だとか、心身の健康だとか。しかしそうした指摘は、特に企業社会に住まう皆様からまったくの無視を食らう。彼らこそ、給料だけに頼って生きる心細さを、日々誰よりも痛感しているはずなのに。

 ということで今こそ、日本の企業社会のすべての構成員に、掲題書を読んでほしい。「一応は企業社会の仕組みも知っておこう」と入社し、ずるずるとそのまま生きる力をむしりとられている30歳前の人たちに。社畜生活が長すぎて自らの「ナリワイ」を確立する自信を失っている50歳前の人たちに。まだ元気なのにただの「The消費者」になってしまった定年直後の人たちに。

 著者・高坂(こうさか)勝氏は、「よし、もっと働かないために頑張るぞ!」(前著『ダウンシフターズ』の帯文)を標語に、次の時代の生き方のモデルになるような暮らしを、自ら構築している人だ。「勝」と名づけられた団塊ジュニア世代の宿命として、かつては受験、就活、大企業での仕事と、競争に競争を続けてきたのだが、30歳で退職。現在は東京・池袋と千葉県匝瑳(そうさ)市を往復しながら、週休3日の自営業と自給農業を兼業している。会えばわかるが、彼はいわゆる「抜群に仕事のできる人」だ。そういう人物が、企業内で成果なき成長合戦に向けていたエネルギーを、自給力をつけ仲間を増やすこと、お金はないが時間と空間は豊富にある生活を築くことに向け直すとどうなるか。1ページ読むごとに、安楽で自由な自分自身の暮らしの構築に向けて、あなたにも勇気とやる気が湧いてくるはずだ。

 著者は特殊な個人体験を押し付けているのではない。普遍性の高い考え方と生活モデルを、とても多くの知人の具体例をひきながら提示している。つまりこれは新興宗教の勧誘でもなければマルチ商法の罠(わな)でもなく、実践経験と条理に基づいた客観的な情報だ。日本の政財界にはびこる経済成長至上主義こそむしろ、抜けられぬ泥沼にあなたを引き込むカルト教義なのではないか。

 米国に4年先んじて経済成長の夢に賭けてみた日本人。泰山鳴動ネズミ一匹の結果を糧に、この本で一歩先に洗脳を解除し、自身の生活をステップアップしてはどうだろう。
http://mainichi.jp/articles/20161120/ddm/015/070/015000c

中は100兆ベクレル!地震で不安視される原発排気筒の倒壊リスク とり

2016/12/05 (Mon) 21:12:56

中は100兆ベクレル!地震で不安視される原発排気筒の倒壊リスク
女性自身 12/5(月) 6:01配信


「先日の地震は、東日本大震災の余震です。過去の事例を見ると今後100年、余震は続くでしょう」と話すのは、地震学者の島村英紀氏だ。11月22日に起きた、福島県沖を震源とするマグニチュード(以下M)7.4の地震。6年前の原発事故の悪夢が、再び頭をよぎった方も多いだろう。2日後の24日にはM6・1の余震が続いた。

「今後、M8レベルの余震が、いつ起きてもおかしくありません。震源が浅ければ、東日本大震災を越える津波がくる可能性も否定できません」(島村氏)

そうなると心配なのは、廃炉作業中の福島第一原発だ。元東京電力の社員であり原発で作業員の指導や放射線管理者を務めたこともある桑原豊さん(59)は、原発が再び“暴発”する危険についてこう警鐘をならす。

「心配なのは排気筒の倒壊。中に溜まっている100兆ベクレル(※)以上とされる放射能に汚染された粉じんが、大気中に一気に噴き出します」 

排気筒とは、原発から出る排気を環境中に安全に放出するための設備。倒壊のおそれがあるのは、1号機と2号機の間にある高さ約120メートルの排気筒だ。原発事故の際、この排気筒から高濃度の放射性物質を含む蒸気を放出(ベント)したため、現在も内部は高濃度で汚染されたままなのだ。

この排気筒を支えている骨組みの溶接部分5カ所(地上66メートル付近)が破断、さらに3カ所が変形していることが、東京電力の調査により13年に判明した。それ以来大きな地震がくれば、倒壊するリスクが懸念されてきた。

「日々、海からの潮風にさらされることでサビが増え、腐食は進んでいると思います。早急に補強工事をすべきなんですが、排気筒周辺は放射線量が高すぎて人が近づけないんです」(桑原氏)

東電の発表によると、11年8月時点で排気筒の配管付近の地表面では、最大、毎時25シーベルトが記録されている。人間が一瞬でも浴びたら、約20分で死に至るほど高い数値だ。もし、この排気筒が倒れたらどうなるのか。

「当然、所内で働いている作業員は、排気筒から出た高濃度の放射性物質が付着した粉じんを吸い込んで内部被ばくをします。さらに、その粉じんが風に乗って遠方まで飛ばされたら、人や土地、農作物が再び広範囲で汚染されるおそれもあります」

さらに深刻なのは、排気筒倒壊が原発施設内に与える影響だという。

「排気筒が倒れるときに20メートルほど先にある1号機や2号機の原子炉建屋を直撃して、破壊されてしまう可能性があるんです」と桑原氏は懸念を示す。そうなるとさらに大量の汚染粉じんが舞い上がることはもちろん、使用済み燃料プールが破壊される怖れもある。

「建屋内には、それぞれ約500~600本の使用済み燃料が保管されている使用済み燃料プールがあります。プールの破損によって水がなくなると、使用済み燃料を冷やせなくなります。そうなると使用済み燃料の周りを覆っている被覆管が溶け始め、核反応が進む可能性も否定できません。大量の放射性物質が大気中に放出される危険性も出てきます」(桑原氏)

放射性物質が拡散する最悪の事態を招きかねない排気筒の倒壊。東京電力はどのような対策をとっているのか。広報担当者に問い合わせたところ、以下のような答えが返ってきた。

「解析モデルで耐震性を計算した結果、破断がなかった場合、東日本大震災レベルの地震動600ガル程度に対する安全性が確保されていることを確認しています。(破断がある)現状でも、同程度の地震動に耐えられることを確認しています」

なんとも矛盾した答えだが、東電は、破損が進んでいないかを年に一回、望遠レンズを使って“目視”で確認しているという。

「今のところ、大きな変化はありません。(倒壊などの)影響はない。そうは言っても高い建物なので……。比較的放射線量の低い上層部分のみ、18年度から解体していく予定です」
 
やはり、リスクが大きいことは認識しているのだ。こうした状況を踏まえて、前出の桑原さんは最後にこう語った。

「再び大きな地震・津波が起これば、どんなリスクが生じるが分からない。そんな場所に、政府は住民を戻そうとしている。これは、あってはならないことです」

災害に“想定外”は通用しないことは原発事故で学んだはず。東電や国は、そのことを肝に命じて対策をとるべきだ。

※放射性物質から1秒間に出る放射線の数を表す
.

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最終更新:12/5(月) 6:01
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161205-00010002-jisin-soci

インタビュー)原発立地県知事として 前新潟県知事・泉田裕彦さん とり

2016/12/11 (Sun) 14:46:38

(インタビュー)原発立地県知事として 前新潟県知事・泉田裕彦さん
2016年12月10日05時00分


写真・図版
「年内は世話になった人へのあいさつ回りです。今後のことはゆっくり考えます」=東京都内、堀英治撮影

写真・図版


 東京電力福島第一原発の事故原因の検証も不完全なまま、各地の原発の再稼働に向けた動きが進む。廃炉や除染など事故処理費の試算は倍増となった。事故後、世界最大級の柏崎刈羽原発がある新潟県の知事を務めた泉田裕彦さんに、東電や原子力防災との向き合い方、4選出馬を突然取りやめた判断などを聞いた。

ニュース特集「原発・エネルギー」


 ――地震と原発への対応に追われた知事在任中、東京電力に対して厳しい姿勢でした。

 「2004年10月、知事就任の30時間前に新潟県中越地震が起きました。県庁に駆けつけたあと避難所の体育館へ行き、携帯で東電柏崎刈羽原発に電話し被害がないことを確認しました。就任以来、地震と原発に追われ続けました」

 「原発震災への備えが不十分だと最初に感じたのは、07年7月の新潟県中越沖地震のときです。炎があがる現場を中継していたテレビの映像をみて柏崎刈羽原発の異常に気づきました。敷地内で最大1・5メートルの段差が生じ、3号機の変圧器で火災が起きていたのです。原発には、県庁と結ぶホットラインはあったのですが、設置してある原発内の建物がゆがみドアが開かなくなり、使えませんでした。原発震災による事故が起きたのは新潟県が世界で初めてです」

 ――原発震災を体験しながらも、09年5月には柏崎刈羽原発再稼働の容認を表明しましたね。

 「柏崎刈羽原発では大量の放射能漏れはありませんでしたが、再稼働について、賛成と反対の両方の意見が多数寄せられていました。再稼働の妥当性について検討した県の技術委員会の報告を受け、『おおむね安全性は確保されている』と受け止めたので、再稼働を認めました」

 「ただ、地震があったときに連絡が取れないようなトラブルなど、中越沖地震で明らかになった問題点の改善を強く主張しました。だからこそ、原発内で緊急対応できる免震重要棟の建設と消防車の配備が実現したのです。免震重要棟は、福島第一原発でも東日本大震災の8カ月前に完成していました。これが、原発事故の命綱となったことで、東日本の壊滅という最悪の事態が回避できた可能性があります」

 ――11年3月の福島第一原発事故をどう受け止めましたか。

 「震災の当日、原発周辺にある放射線量を測定するモニタリングポストが停電のため稼働していない、と福島県からSOSがありました。県職員を派遣すると被曝(ひばく)する恐れがあります。苦悩した末に『絶対強制しない』という条件つきで、行ってもいいという職員に移動モニタリングカーで福島へ入ってもらいました」

 「新潟に避難する被災者もいました。新潟にはロシア、中国、韓国の3総領事館があります。新潟県民が避難する事態も視野に入れざるを得ない状況で、各国から受け入れ申し出が実際ありました」

     ■     ■

 ――そうした体験が東電に対する厳しい態度になったのですか。

 「東電に不信感を持ったのは、メルトダウン(炉心溶融)の問題で、原発立地県の知事にウソをついたからです。事故直後の3月14日には、武藤栄・東電副社長(当時)が福島第一原発の2号機について『2時間でメルトの可能性あり』と発言しています。事故対応をしていた東電本社の様子は、社内のテレビ会議システムで柏崎刈羽原発にも伝わっていました」

 「当時、メルトダウンしている疑念もあり、新潟県民の避難が必要かどうか判断するため、18日に福島第一原発の現状がどうなっているのか東電に説明を求めました。柏崎刈羽原発の幹部が県庁に来ました。『メルトダウンしていない』と話しました。ところが、東電は2カ月後、メルトダウンが津波到着の5時間半後に始まっていたと発表したのです」

 ――13年7月、再稼働に向けた手続き開始への同意を求めに東電社長が訪れましたが、了承しませんでした。

 「知事の最大の使命は、県民の生命と安全、財産を守ることです。新潟県でも技術委員会で福島原発事故の検証を進めています。しかし、東電は情報をきちんと開示しない姿勢を続けてきました。これでは事故の総括も対策の検討もできません。虚偽説明をする会社に原発を管理する資格があるのか疑問です」

 「原発事故の判定基準マニュアルで、メルトダウンだと判断すべきところをしていなかったことを認め、東電が謝罪したのは今年の2月になってからです。技術委員会の議論を通し事実の積み重ねで外堀が埋まった中、知事選に私が出て4選した場合、虚偽説明を続けていては再稼働の議論に入ることもできない、と考えたのではないでしょうか。地に落ちた東電の信頼を少しでも回復するために、4期目に入る前に認めた、と受け止めています」

 「8月25日に訪れてきた東電幹部は『原子炉に注水できない状況から判断すれば炉心溶融していると申し上げるべきだった』と釈明しましたが、いまだに責任を問われる真実は話せないようです」

     ■     ■

 ――2月に出馬表明しながら、知事選直前の8月30日、不出馬を発表しました。理由が地元紙報道とは理解しがたいことです。

 「新潟日報が県が金融支援として出資して第三セクターになった企業の日本海横断航路のフェリー購入契約トラブルについて報道を続けました。事実に反する点について県のホームページに掲載して訂正を求めましたが、新潟日報は言論を通した真実の追及をしませんでした。8月24日には定例記者会見で新潟日報への抗議を発表項目に入れるという異例の対応をしました。しかし、重要性が高くないと考えたのか、他社が取り上げることはなく、原子力防災をふくめ県の主張を県民に伝えることが難しい選挙になる、と判断しました。別の人が出て原子力防災など未来を争点にした選挙が行われた方が、当選後に国との交渉力が増すと考えて撤退を決めました」

 ――別の人が出る、と考えていたのですか。

 「当選した米山隆一氏ら特定の人を想定していたわけではありませんが、必ず誰か出ると考えていました。7月の参院選で野党共闘候補が自民候補を破っているわけですから、私が出なかった場合、共産党単独候補ではなく野党が連携する形で擁立される可能性があり、候補者によっては自民党、公明党の対応もどうなるかわからない、と思っていました」

 ――選挙態勢を組めず出馬を見送ったとか、再稼働の判断を迫られるのを避けたという見方もあるようです。

 「各機関の調査で県政への評価が8割を超えていました。選挙事務所の態勢も整っていましたし、選挙資金も問題はありませんでした。再稼働について検討する前に、福島第一原発の事故検証が必須という立場は貫いてきました」

 ――不出馬表明のあと決意は変わらなかったのですか。

 「市民団体などからも撤退の撤回署名などをいただきましたが、政治家が進退をいちど口にした以上、撤回はできません。ただ、進退の判断にあたって、大阪市長だった橋下徹さんをうらやましく思いましたね。大阪にはテレビの準キー局や全国紙の本社もあり、メディアと議論できる環境があると思いました。でも、新潟ではローカル放送の時間や紙面が限られ、私の考えを県内にも広く発信して議論することが難しい状況でした」

 ――「後継指名しない」と言いながら、知事選ではツイッターで候補者に質問する形で、米山氏を支援しているようでした。

 「原子力防災などを争点にしてほしいと撤退表明したわけですから当然です。森民夫氏(自民、公明推薦)からは、接戦の報道があるまでは質問に対する回答はありませんでした。原子力防災で泉田県政の取り組みを継承するとしていた米山氏(共産、社民、自由推薦)には、返信で確認できましたので礼を尽くしました」

     ■     ■

 ――現在の原発についての議論をどう見ますか。

 「今は原発事故の対応にかかる費用を含めても原子力発電は割安という説明になっています。一方で、国民に負担を求める議論も進んでいます。原発を動かさないので国民負担を求めるというのなら論理的ですが、割安だと主張する原発の再稼働を進めながら国民負担を求めているわけです。結局、原発は高いのか安いのか、整合的な説明が求められるように思います。こうした入り口の整理を抜きに、国民負担の賛否を問うのは拙速です。原子力規制委員会の指針は霞が関だけの調整でつくられ、現場を抱える地方自治体の意見が採り入れられていません」

 「原発事故で被曝する恐れがあるのは周辺にいる住民です。規制委の委員に住民を代表する立場の人を入れるべきだと考えます。中央省庁の官僚は『福島の住民の苦しみを忘れるべきではない』という主張と、『とにかく原発を再稼働させよう』との2派あるように思います。省庁というより個人によって考えは異なり、人事異動で方針が変わり得ると見ています」(聞き手・川本裕司)

     *

 いずみだひろひこ 1962年生まれ。新潟県加茂市出身。87年、通産省(現経産省)入省。2004年、新潟県知事に当選、3期12年務めた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12699526.html?rm=150

日露経済協力で新潟県知事が狙う天然ガス拠点化と脱原発 とり

2016/12/28 (Wed) 10:31:54

日露経済協力で新潟県知事が狙う天然ガス拠点化と脱原発
HARBOR BUSINESS Online 2016年12月23日 09時00分 (2016年12月26日 08時03分 更新)



泉田元知事、米山現知事が再稼働に慎重な柏崎刈羽原発


「ロシアに近い新潟では 泉田裕彦前知事が検討していたウラジオストックと新潟のガスパイプライン構想に加え、米山新知事はさらにLNG火力の新設を練っています。柏崎刈羽原発廃炉で宙に浮く800万kWの送電線で関東に売電するのです」

 こう話すのは、新潟県知事選(10月16日投開票)で米山隆一知事の応援に駆けつけ、今でも意見交換をしている元経産官僚の古賀茂明氏だ。泉田前知事とは官僚時代の先輩後輩の仲で、四選不出馬表明以降は「福島原発事故の検証と総括なき再稼働はありえない」が持論の泉田路線継承候補の擁立と当選に尽力した。

 その米山知事は東京電力トップ(數土文夫会長や廣瀬直己社長ら)と新潟県庁で会談をする予定だという(11月22日と29日の予定が地震と鳥インフルエンザで二度延期に)。

 小泉純一郎元首相が新潟講演をした11月4日に米山知事は「これから柏崎刈羽原発をめぐって東電との厳しい交渉が始まるが、再生可能エネルギーが拡大すれば、『あの交渉は何だったのか』と思うようになるかも知れない」と挨拶、原発ゼロ実現で小泉元首相と足並みを揃えていた。

「プーチン大統領訪日で“北方領土解散”を狙う安倍政権は、その呼び水にすべく日露経済協力を検討していますが、その目玉の一つがガスパイプライン構想。実は、この構想を含む日露経済協力が、原発ゼロの実現にもプラスになるのではないかと注目しているんです」(古賀氏)

◆ロシアと結ばれた新潟が新たなエネルギー拠点に!?

 与党国会議員から成る「日露天然ガスパイプライン議員連盟」が、サハリンから稚内を経て東京湾までの1500kmを結ぶ“北海道ルート”(7000億円)を要望しているが、実はウラジオストックから新潟までの“日本海ルート”も検討されていたのだ。

「新潟にはガス貯蔵施設など関連施設があり、東北や関東方面とパイプラインでつながっているため、ロシアとパイプラインで結べば、新潟がエネルギー拠点となる可能性があります。そこで泉田知事の主導で調査が始まり、2014年3月に報告書『日本海横断パイプライン構想調査』を作成しました。取りまとめを依頼したのは、『公益法人 環日本海経済研究所』(新潟市)です」(新潟県国際企画課)

 また報告書には日本海ルートの建設費が3000億~5000億円とあったが、「あくまで推算値で、最も深い水深3300mに通す技術的課題は残っている」(同)のだという。

◆パイプライン経由だけでなくLNG輸送でもロシア産天然ガスは有望

 一方、ロシアからタンカーでLNGを新潟に運び込み、ガス火力発電所で発電することも可能。北海道の石狩湾新港でも、ロシア産LNGを使う予定のガス火力発電所(180万kW)が建設中だ。

 新党大地代表の鈴木宗男氏も11月24日、永田町で開かれた新党大地塾でこう訴えた。

「石狩新港に、北海道ガスが一基60万kWのガス火力発電所を三基作ります。北海道電力の泊原発が150万kWですから、これで原発がいらなくなるのです。『21世紀は環境の世紀』と言われていますが、天然ガスは石油に比べて地球温暖化ガスの排出量が少なく、環境にも優しい。隣国ロシアは世界一の資源大国なわけですから、これを使わない手はない。専門者会議でも『ロシアからのエネルギー供給が3割に増えても脅威にならない』という議論は出ています。いまロシアの日本に対するシェアは1割。まだまだ伸びしろがあるのです」

 ガスパイプライン経由でもLNG輸送でもあっても、ロシア産天然ガスの輸入拡大をすれば、原発再稼働の必要性が薄れて原発ゼロ実現の追い風になる。それと同時に、日本のエネルギーの中東依存度を減らす効果も併せ持つというのだ。日露経済協力の進展が、今後の日本のエネルギー政策にどんな影響を与えるのか要注目だ。

<取材・文・撮影/横田一(ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた最新刊『黙って寝てはいられない』小泉純一郎/談、吉原毅/編に編集協力)>
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20161223/Harbor_business_122219.html

2016年5月23日の口頭弁論(第15回) とり

2017/02/24 (Fri) 18:00:10

禅 ルミナス
7011 とり 2016年5月24日 00:24


今日の法廷と記者会見、チョー熱く語ってきました。 こんなに集中できて、私は嬉しいっす。
新聞社の記者さんも名刺いっぱいくれました。 これからも、共に、歩んでいきます。

伊東良徳弁護士さん、早速サイト更新してくださいました。
http://www.shomin-law.com/katudoukashiwazakikariwasashitome.html

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◆活動報告:原発裁判◆
柏崎刈羽原発運転差し止め訴訟


 柏崎刈羽原子力発電所は1号機から7号機までの7基の原子炉があり合計電気出力821万2000kWに及ぶ世界最大の原発でしたが2007年7月16日の中越沖地震で被災して全機停止に至り(中越沖地震直後の様子は「中越沖地震後の柏崎刈羽原発に行ってきました」を見てください)、その後3年あまりをかけて7号機、6号機、1号機、5号機と運転再開をしました(中越沖地震から3年8か月近く経っても2号機、3号機、4号機は運転再開できない状態でした)が、東日本大震災・福島原発震災を経て、全号機停止しています。
 この東日本大震災・福島原発震災後の2012年4月23日、柏崎刈羽原発全号機について、改めて周辺住民の人格権に基づく運転差し止め訴訟が新潟地裁に提起されました。第1回口頭弁論期日は2012年7月12日に行われました。
 私は、2012年の前半は、国会事故調の協力調査員なるものをやらされていたので、この裁判には、訴状から名前は連ねていましたが、訴状作成や第1回口頭弁論には関わっておらず、第2回口頭弁論(2012年10月15日)から実働しています。
 2016年5月23日の口頭弁論(第15回)では、熊本地震の惨状と新潟地震の体験から地震と原発は共存できないという****さんの意見陳述、東京電力策定の基準地震動の誤りに関する準備書面、中越沖地震で柏崎刈羽原発が受けたダメージが確認できておらず、計算上の評価でもギリギリのところが多々あり、これでは次の大地震に耐えられないという準備書面が陳述されました。被告側からは耐震設計の基準となる開放基盤表面について説明する準備書面(15)、耐震設計で用いられる手法を正当化する準備書面(16)が陳述されました。
 次回は2016年8月3日午後3時から第16回口頭弁論が行われます。
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自尊感情と自尊心 とり

2017/04/10 (Mon) 18:18:51

自尊感情と自尊心
Seibun Satow
Jul, 04. 2012


「もし私たちがたった一つの瞬間に対してだけでも然りと断言するなら、このことで、自身に対してのみならず、すべての生存に対して然りと断言したのである。なぜなら、それだけで孤立しているものは、私たち自身の内にも事物の内にも、何一つとしてないからである」。

フリードリヒ・ニーチェ『権力への意志』



 心理カウンセラーであり、道徳教育の専門家でもある林泰成上越教育大学大学院教授は、『道徳教育論』(2009)において、自身の経験を踏まえ、最近の子どもたちの特徴として次の三つの低下を指摘しています。それは、「規範意識の低下」・「自尊感情の低下」・「人間関係力の低下」です。



 第一は規範意識の弱い子が目につくようになった点です。大人だってルール違反をすることはあります。ですから、問題なのは決まり事や約束事を破ること自体ではなく、それに対する態度です。ルール違反を意識したときには、後ろめたさがあるものです。けれども、ルールを破っていると知りながら、悪びれもせずにいる子どもが少なからずいるのです。



 ただ、これには捕捉が必要です。デジタル技術の進展に子どもたちの道徳的発達がついていけない場合もあるのです。ある高校生が同級生を嫌っているとします。知り合った他校の生徒たちから携帯電話を借りて、こっそりその子に嫌がらせメールを何通も送りつけます。受信した子は不安に思い、警察に相談、ほどなく、同級生の仕業と判明します。送信した子は脅迫容疑で警察に逮捕されますが、ほんの悪ふざけのつもりだったと犯罪者扱いに納得がいかず、反省もしません。発展したデジタル技術のもたらす結果の重大さが子どもの道徳的発達と齟齬をきたしているわけです。



 第二は自尊感情の弱い子が増えた点です。「自尊感情(Self-esteem)」は「自尊心(Pride)」と違います。両者を分かつのはルサンチマンの有無です。前者はルサンチマンなく、ありのままの自分を受け入れる心情です。他方、後者は他との比較によって自分の優越感、あるいは自意識の優位性を感じようとするルサンチマンです。自分自身を大切に思う気持ちが弱く、「どうせ自分なんかダメさ」と投げやりです。ところが、それと反対に、自尊心の方がやたら強いのです。自尊感情の不足を自尊心で補っているとも言えます。自尊心がパンパンに膨れ上がり、ちょっとした刺激で破裂しそうな小さな風船能のようになっています。



 第三が人間関係をつくる力の弱い点です。これは新規の関係だけでありません。既存の関係を補修しながら維持していくことも含まれます。人間関係には誤解や不和がつきものです。でも、そのトラブルを修復していくことで、人間関係が長く続くだけでなく、質的に高められていくこともあります。ぶつかり合いやすれ違いは人間関係構築の力を強化する絶好の機会でもあるわけです。ところが、対立が生じると、そこで傷つき、回復できないまま、カウンセラーの元を訪れる子が少なくないのです。



 トラブル・メーカーはこの三つを併せ持っている場合が多いのです。自尊感情が弱く、自尊心が強いため、些細な言動にも過敏に反応してしまいます。思春期は自意識過剰なものですが、度を越しています。「髪型が変」と言われたくらいで、いきなり激高し、規範意識が低いので、相手を否定するようなことをしてしまいます。自尊感情が低いため、自分を抑制できず、こうした言動を過激化して繰り返すのです。その結果、人間関係が取り返しのつかないくらいに壊れてしまいます。



 こう指摘する林教授は決して懐古趣味者ではありません。昔を引き合いに出して、今の子どもの姿を嘆く人ではないのです。彼は、映画『Always 三丁目の夕日』に言及しつつ、「昔はよかった」という言い方を厳しく批判します。そこには、まず、年配者による若者に対する優位を保とうとする動機が見てとれます。過去の経験は若者には知り得ないし、体験することもできないからです。また、昔を幸せだったと思いこみ、現にある不安からの逃避とも考えられます。あるいは、アイデンティティの連続性の確認の欲求とも思えます。今ここにいる私はさまざまな体験の寄せ集めです。それを意味あるものと信じるために、これまで構築してきた経験を美化するのです。以上のように、「昔はよかった」には根拠がありません。しかし、その発言が社会の変化から発せられていることは確かですし、それを見るべきです。昔を懐かしみ、今の子どもたちを批判するなど生産性がない態度なのです。



 昔に触れなくても、三つの低下を根拠に、今の子どもたちだけを糾弾するのは真に滑稽です。と言うのも、子どもの変化は社会の変容と連動しているからです。その社会をつくり上げたのは他ならぬ大人です。子どもではありません。



 実際、「規範意識の低下」・「自尊感情の低下」・「人間関係力の低下」は最近の大人にも少なからず見られます。ワイドショーで扱われる事件や変人だけではありません。公人と呼ばれる人たちにも、石原慎太郎東京都知事のように、自尊感情が極端に縮小し。自尊心が極端に肥大したケースが多々思い当たります。しかも、そうした人物をもてはやす向きさえあります。



 ここで鍵になるのが自尊感情です。自尊感情が強ければ、規範意識も、人間関係力も高くなります。規範意識の低さに気をとられて、厳しくしつければいいという考えは本質を見ていない浅慮にすぎません。自尊感情が弱いと、自分は力を持っていないと生き難さを覚えます。その反動としてルサンチマンを抱き、あるがままを認めません。自分がこんな形でしか生きられないのなら、世界なんて滅びてしまえと攻撃衝動へと駆り立てられるのです。これでは規範意識も人間関係力も高まりません。また、自尊感情が弱く、自尊心が強い人に限って、他者を認める気がありませんから、特定の道徳的価値の強制を叫ぶ傾向があります。自分の不遇や不満を世界の破壊や破滅へとすり替える反動的な力を克服するために、自尊感情の育成が重要なのです。



 言うまでもなく、あるがままの是認は現実への働きかけを放棄することではありません。自分の可能性を熟慮し、全力を尽くした上で、現われ出る現在をあるがままに肯定することです。精一杯力を出した意欲や過程に意義を見出す認識とも言い換えられるでしょう。



 問題行動への対処として学校現場でしばしば「心の教育」が行われます。しかし、林教授によれば、それでは不十分です。この方法論はサイコエデュケーションのエクササイズを利用した内省の道徳教育です。人間関係を取り上げても、最終的には個人の内面へとその経験を差し向ける組み立てになっているからです。



 そもそも、日本の道徳教育は、学習指導要領で道徳的価値を教えこむことが原則とされています。指導を通じた道徳的価値の内面化を教育的成果とするわけです。自尊感情の育成には子どもの主体性を最高度に尊重することが必要ですが、それが組み入れられていません。例えば、我慢は、自分が認められていると意識されて、初めて自主的にできるものです。現行の方針では、自分を抑えることを十分に育てられません。むしろ、逆効果をもたらしかねません。「心の教育」にしても、こうした従来の指導方法との妥協の産物なのです。



 道徳的価値の教えこみも確かに大切です。教えこみにも「インドクトリネーション」と「インカルケーション」に分けられます。前者は教える側にとって都合のいいことだけを子どもに刷りこもうとすることです。一方、後者は民主的な観点から望ましいとされる価値を子どもの主体性を配慮して教えることです。両者の内、インカルケーションが必要なことは明らかです。



 けれども、教えこみだけに偏重していては今の課題に応えられません。価値の多様化・相対化の現代における規範意識を高めるのであれば、自尊感情の育成に本腰を上げる必要があります。



 それには、過程を重視したオープン・エンドな議論型の道徳授業が適しています。プロセスは参加者の間で共有することができますから、こうした方法論は三つの低下に有効なのです。モラル・ジレンマやモラル・スキル、価値明確化、構成的グループエンカウンターなどが挙げられます。



 この中でモラル・ジレンマはマイケル・サンデル教授の『ハーバード白熱教室』で日本でもすっかりおなじみになっています。これは、同じくハーバードで道徳教育と発達心理学の研究者だった故ローレンス・コールバーグ教授の考案した授業スタイルです。資料さえしっかりできていれば授業が盛り上がることは日本の道徳教育の専門家にも知られていましたが、学習指導要領の方針と合わないため、手直しされて、試しに採用されている程度です。しかし、あの授業をテレビで見た人たちには導入できないのが不合理にさえ思えているでしょう。



 道徳教育の改正と言うと、首長を含めて保守的な政治家はインドクトリネーションの強化を主張しますが、それは彼らが自尊感情の脆弱な人であることを吐露しているのです。一方、林教授は現代における道徳教育の目標を「やさしさ」に見出しています。これは価値観の違う他者をやさしい態度で受け入れることです。権力関係のない寛容さとも言い換えられます。それには、自尊感情を育むように議論型の道徳授業を大枠にして、その内部に教えこみを組み入れことを提案しています。その際、学習指導要領を改めることが求められます。



 おそらく「やさしさ」が必要なのは子どもたちだけではないでしょう。三つの低下をあちらこちらで目の当たりにします。自尊感情を強め、自尊心を弱めるための熟議が日本の大人には必要なのです。「これは『正義』についてのコースです。こんな話から始めましょう(This is a course about Justice and we begin with a story)」。

〈了〉

参照文献

林泰成、『道徳教育論』、放送大学教育振興会、2008年

佐藤清文、『モラル・ジレンマとマイケル・サンデル』、2010年
http://cc.bingj.com/cache.aspx?q=%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%89%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%8d%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3&d=4520901436377500&mkt=ja-JP&setlang=ja-JP&w=tZj0SWYpCP4H3mkCIunZ4QJHQaF1KOeS

花角ウィキ - とり

2018/06/13 (Wed) 13:33:24

Camera-photo Upload.svg 画像提供依頼:花角英世の正面からの顔写真(許可をとったもので、人物のわかる写真)の画像提供をお願いします。(2018年6月)



日本の旗 日本の政治家
花角英世
はなずみ ひでよ


生年月日
1958年5月22日(60歳)

出生地
日本の旗 新潟県佐渡郡金井町(現:佐渡市金井町)

出身校
東京大学法学部

前職
国家公務員(運輸省・国土交通省・海上保安庁)
新潟県副知事

所属政党
無所属

公式サイト
県民信頼度ナンバーワンの県政。



新潟県の旗 公選第21代 新潟県知事


当選回数
1回

在任期間
2018年6月12日[1] - 現職



日本の旗 国家公務員(運輸省・国土交通省・観光庁・海上保安庁)


在任期間
1982年4月 - 2018年5月
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花角 英世(はなずみ・ひでよ、1958年5月22日[2] - )は、日本の政治家。新潟県知事(第21代)。元運輸・国交官僚。



目次 [非表示]
1 人物
2 脚注
3 関連項目
4 外部リンク


人物[編集]

新潟県佐渡郡金井町(現:佐渡市金井町)出身。父が転勤族だったために小学校を3回転校しており、10歳から新潟市で過ごし、新潟大学教育学部附属新潟中学校[3]、新潟県立新潟高等学校へ進んだ[4][3]。

新潟県立新潟高等学校卒業後、1977年4月に東京大学法学部に進学。旧司法試験を受験するも不合格となり、大学卒業後の1982年4月に運輸省(当時)[4][5]に入省。1986年国鉄改革実施対策室係長。1987年国鉄改革推進部(のちの鉄道局)清算業務指導課専門官。1988年地域交通局総務課補佐官[6][7]。1990年航空局管制保安部保安企画課補佐官。1991年海上交通局海事産業課補佐官。1994年外務省在イタリア日本国大使館一等書記官。1997年大臣官房文書課企画官(運輸政策局併任)[7]。

1999年から二階俊博運輸大臣秘書官を務め、退任後も個人的に連絡を取り続けるなど知遇を得た[4][7]。運輸省⇒国土交通省時代、2000年関東運輸局自動車第一部長、2002年首都圏新都市鉄道株式会社経営企画部長、2004年国土交通省自動車交通局技術安全部管理課長。2006年総合政策局観光事業課長。2008年総合政策局観光政策課長。同年観光庁総務課長。2009年自動車交通局総務課長。2010年大阪航空局次長。2011年大阪航空局局長[7][4][8][2]。大阪航空局局長時代には関西国際空港と大阪国際空港の経営を一本化した新関西国際空港株式会社の設立に携わった[9][10]。

2012年国土交通省大臣官房審議官(海事局、港湾局併任)[7][11]。2013年、泉田裕彦知事の下で新潟県副知事に就任[9]。この時に新潟空港への格安航空会社(LCC)・Peach Aviationの就航に尽力する[9][4]。

2015年9月に副知事を退き、国土交通省海上保安庁次長に就任[12]。2018年4月、知事を務めていた米山隆一が自身の不祥事により辞職した。それに伴い、翌月告示された新潟県知事選挙出馬のために国土交通省を退官[2]。

知事選では自由民主党及び公明党の支持を受け[13]、また地元自治体の篠田昭新潟市長及び国定勇人三条市長、二階堂馨新発田市長ら17市長が支援団体「新潟の明日を考える会」を設立した[14]。

6月10日に執行された知事選挙に於いて初当選を果たした[15]。同月12日、新潟県選挙管理委員会より当選の告示がなされ、正式に新潟県知事に就任した[16]。

妻は私立東洋高等学校教諭。趣味は町歩き。敵を作らない性格とされる[4][17]。

脚注[編集]

1.^ 平成30年(2018年)6月12日新潟県選挙管理委員会告示第47号(新潟県知事選挙の当選人の住所及び氏名) : 『新潟県報』 平成30年6月12日 号外1号
2.^ a b c 花角海上保安庁次長が辞職、新潟県知事選出馬へ ウイングトラベル 2018年5月15日
3.^ a b 青山同窓会報 第98号 新潟県立新潟高等学校青山同窓会 2016年1月
4.^ a b c d e f 「激震 18知事選 立候補者の横顔/中 花角英世氏 敵を作らない楽天的な性格 /新潟」毎日新聞
5.^ “県民信頼度ナンバーワンの県政”. 花角英世. 2018年6月11日閲覧。
6.^ 「毎日フォーラム・課長補佐時代 海上保安庁次長 花角英世(58)」毎日新聞
7.^ a b c d e 「花角知事 プロフィール 」新潟県
8.^ [1]
9.^ a b c “18知事選 立候補者の横顔/中 花角英世氏 敵を作らない楽天的な性格/新潟”. 毎日新聞(新潟県版). 毎日新聞社. (2016年5月29日) 2018年6月11日閲覧。
10.^ [2]
11.^ 「新潟】新知事に花角英世氏/元気な暮らしやすい新潟/県知事選 」
12.^ “観光庁長官に田村氏、航空局長に佐藤氏 海上保安庁次長に花角前新潟県副知事”. 週刊ウイングトラベル/日刊旅行通信. 航空新聞社. (2015年9月11日) 2018年6月11日閲覧。
13.^ 「与党系の花角氏初当選=野党推薦候補と激戦制す-新潟知事選」時事通信2018/06/10
14.^ 「激震 18知事選 花角氏支援、17市長の勝手連発足 「新潟の明日を考える会」 /新潟」毎日新聞2018年5月23日 地方版
15.^ “開票確定状況”. 新潟県選挙管理委員会 (2018年6月10日). 2018年6月10日閲覧。
16.^ “花角英世さんが初登庁 新たな知事に就任(新潟県)”. 日テレNEWS24. 日本テレビ放送網. (2018年6月12日) 2018年6月12日閲覧。
17.^ 「文理・科目選択応援BOOK - リクルート進学総研」

関連項目[編集]
2018年新潟県知事選挙
新潟県知事一覧

外部リンク[編集]
花角英世公式サイト
花角英世 (@hideyohanazumi) - Twitter
花角英世(はなずみ英世) (hideyohanazumi) - Instagram
花角英世(はなずみひでよ) - Facebook
はなずみ 英世 - Facebook


公職

先代:
米山隆一 新潟県の旗 新潟県知事
公選第21代:2018年 -
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E8%A7%92%E8%8B%B1%E4%B8%96

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